集団的自衛権...童話みたいなゲームプラン

 サッカーの監督にはにはゲームプランというものがあります。こう守ってこう攻めるという、企画のようなものです。しかし相手の監督にもゲームプランがある。だから100%自分のゲームブラン通りに試合が展開することなど、滅多にありせん。しかし、たま~に(笑)、バッチリ、ゲームプラン通りの展開で勝てることがある。そこで自分は監督の才能があるのではないかと勘違いしてしまう(笑)。そんな一年に数回の「勘違い」のおかげで、私なんざ何十年も監督家業のまねごとをしているわけです(笑)。
 さて、集団的自衛権。アベ・シュショーが「わかりやすい説明」と自負している内容。アベちゃんの友だちのアソー君が襲われました。だから友だちのアベ君は助けました,,,,てな調子の、まるでおとぎ話のモモタロウやキンタロウみたいな内容。極めて幼稚なゲームプランです。
 いきなり襲われる前に、みんなと仲良くしておけよ、ってな突っ込みはこの際しないことにして、百歩ゆずっておっしゃるとおりアソー君が襲われてアベちゃんが助けたとしましょう。普段は「お腹痛いよ~」なんていって、一回、病欠していたこともあるアベちゃんですが、学級委員決める時の投票でクラスメイトのは半分は欠席したしていたのですが、半分の半分、つまり全体では25%くらいの支持をもらったので「オレは人気者だ」という勘違いをしていたのでしょうね、オラオラとすごんで取りあえずアソー君を助けることができました。
 アベちゃんのオラオラに恐れをなした悪者は、その後、決してアベちゃんとアソーくんに近づくことはありませんでした。みんな仲良く平和に暮らしましたとさ。めでだし、めでたし...とオトギ話ならここでおしまいです。繰り返しますが、こんなの子ども騙しの稚拙なゲームプランです。
 まず、アベちゃんの当初の目論見どおり、オラオラと脅したら素直に引っ込まない相手だったらどうするのでしょう。最終的には追い返したものの、アベちゃんは骨折、アソー君は意識不明の重傷、ってな想定はないんでしょうか。さらには、その時やっつけたと思っていた悪者には、ヤグザの怖いお兄さんがいました。次の日、「オイ、弟をカワイがてくれたそうじゃないか」と凶器を持って仕返しにきました....な~んてゲームプラン、考えているんでしょうかね。
 こういうときにはこうして皆さんの生命と財産を守るのですと、ぜ~んぶ自分中心の視点。自分の言い分で撃って、殺して、相手にどのような感情が芽生えるかはまったく考えていません。なんだか「自分たちのサッカーをするだけ」って、相手がどうくるかなどな~んにも考えていなったどこかの代表チームみたい。自分の思い描く想定は立派なのですが、相手がいるということをまったく考えていない。
 「集団的自衛権を発動して皆さんを守りました。ハイ、これでお終いです」となるんですか? 日本に撃たれて殺された国が「ゴメンネ、もうしないから許してね」とおとぎ話のオニのようにすごすごと帰って行くのでしょうか? そういう初歩的な想定が欠けているゲームブランでは、試合に臨めないのです。