アジアカップ-1

 まずベトナム戦4-2を受けて、日本の苦戦を強調しベトナムを称賛する声が聞こえましたが、私にすれば????ですね。

 GKのミス絡みでの2失点は確かにいただけない内容でしたが、4得点は全て見事に相手守備を切り崩して挙げたもの。完膚なきまでに崩壊させています。あのような得点場面が4回も生まれるということは、両国の間には決定的な差があるということです。
 ベトナムはかつての日本がそうだったように「頑張った」という域をまだ脱することのできるチームではないと思いました。世界中で、サッカー強国に対してこのように「頑張った」という試合が繰り返されています。その「よくある」試合の一つに過ぎません。問題は、その先に進めるかどうか、ということです。「頑張る」までは比較的簡単で、それから先に進むのがとても難しいのです。

 トルシエ監督、相変わらずフラットスリーでご飯食べてます(笑)。これ、相手が強いとき限定の戦術。コンパクトに守ってショートカウンターというやり方。だから日本に攻められる前提の弱者ベトナムにはまって「よくやっている」ように見えた。だけどこれ、2002年のトルコ戦のように引いて守られたら能動的に崩せない方法。まぁ「弱い国を善戦させる」というビジネスとして使い勝手のいい商品です。
 イラク戦。もちろん、徹底的に日本対策を練られたということもありますが、両者の決定的な違いはストライカーです。ガッチリ守るイラクが繰り出すカウンターは少人数が個人の能力を前面に押し出すものでした。イラクのアタッカーは1人で2人、3人を相手に頑張れる力がありました。ここはしっかりクロスを送る、という場面では良いクロスを送り、かなり無理な姿勢からでも思い切ってシュートを打ち際どいコースにボールを飛ばしていました。アタッカーに求められていることをしっかり実践していた。
 かたや、素人みたいなキックミスをしている「君プロ?」という輩は論外として(笑)、アタッキングサードに入ってから個の力で突破し、相手守備をねじ伏せる、という選手が一人もいなかったですね。確かにボールは失わないから「責任逃れ」はできるのだけれど、リスクを背負って突破を仕掛けて行かないからイラクDFも自信満々で潰しに来ていました。カウンターの場面でも攻め切らずにスピートドダウンして「確実な線」ばかり考えるから、まったく迫力感じませんでした。
 第3戦を勝って2位で決勝トーナメント進出すれば韓国と対戦とか。韓国は以前のような破壊力は感じなくなくなりましたが、それでもストライカーの個の威力という点では依然として日本より上です。均衡した試合が続く中、最後に韓国のストライカーに決勝点を奪われる、というイメージしか湧いてこないのですが、悲観的すぎますかね。