憲法のオリジナル性?

 「絶対に戦争に巻き込まれることはありません」と、のたもうアベちゃん。厳重な規定があります、戦うのは我が国民の生命と財産が危険に晒された時だけなんです、といいますが、「これがその時です」と決めるのは権力者ですから、市民にとっては「歯止め」なんてほとんど意味がないわけです。
 撃ったのは自衛のためです、止むに止まれずなんです、と何千回叫ぼうとも、撃たれた側にとってみれば日本の攻撃であることには変わりありません。「ああそうですか。今の日本の銃撃は自衛のためだったんですね。それなら僕たちが撃たれてもしょうがない。仕返しはやめておきましょう」なんていう国、世界中のどこにあるんですか?
 そもそも古今東西「これは残虐な侵略です」と宣言して始められた戦争なんて、ただの一つもないわけです。み~んな立派な大義名分があって「~を守るためにやむを得ず戦うことになった」という理由で国民を奮い立たせのです。女、子ども、お年寄りが危険なんだ、というもっともらしい説明があるのです。
 ただ守るだけではやられっばなしになる。こっちからもガンガン攻めていけるように、憲法を改正しましょうという人たちがいます。「そもそも憲法アメリカの押しつけで作られたものなんだ」と言っています。「借り物じゃダメだ、自分の力でつくろうじゃないか」と言っています。
 そう言う人は、スーツ来て会社に通ってるんじゃないですか?スーツなんて欧米の服装文化の「借り物」ですよ。ガイジンが作ったものですよ。そんなものを「正装」だなんてうそぶいていないで、日本伝統の「紋付き袴」で出社してから「自分の力でつくる」と言いなさいよ(笑)。
 そもそも書類を書くのに「漢字」使っているでしょ。漢字は読んで字のごとく「漢」つまり古代中国で発明されたものですよ。千何百年前から、ちゃっかりまねして使うことになったんですよ。今、中国がパクリ文化でけしからんことになっていますが、中国が日本に「漢字の著作権」を要求してきたらどうするんですか(笑)?韓国の ハングル文字のように、完全に独自の文字でも発明したらどうでしょう。
 サッカーは蹴球と呼ばねばなりませんね。戦時中、野球の「セーフ」が「良し」に「アウト」が「ダメ」になった例に倣うとすると、「オフサイド」なんて何て言えばいいんですか?「アドバンテージ」とか「ペナルティエリア」とか、呼び方面倒くさくなりますよ(笑)。
 よく子どもが生意気を言った時に、親は「一人で大きくなったような顔をしやがって」と憤ります。親子も国際関係も同じで、他国から何の助力も得ずに、ただ自国の力のみで繁栄した例などないのです。
そもそも「憲法」という決まり事をつくって民主主義という方法を採用する、という概念自体が日本オリジナルではなく「借り物」じゃないですか。選挙だって国会だって全て「借り物」の文化ですわ。
 他者からの「借り物」を止めて自分オリジナルだけで生きていこうとするなら、ものすごく大変だと思いますけどね。スーツ着て、ネクタイ絞めて、ランチに洋食食べて、国会という場で漢字で書いた原稿を見ながら「今のケンポーは借りものだからダメだ」と叫ぶほど、笑えることないんじゃないですか?