敗因分析?

 もうW杯など遠い昔のことのようですが、先日、日本サッカー協会から今回のW杯の敗因分析が発表されました。敗因の一つは試合運びのつたなさ、もう一つはコンディション調整の失敗だそうです。
 もう何十回も言ったり書いたりしていますが、一つ前の南アフリカW杯で選手たちは相当高いレベルで戦い方の調整を成功させました。大会10日前に戦術の変更を行い、デンマーク戦では事前に想定したものとは違う陣形で攻めてきた相手に対し、阿部らの臨機応変な対応と岡田監督の柔軟な姿勢で対応、見事に返り討ちにしています。
 巧みな....とまではいかなかったにしても、想定外の事態に対して、選手自らの察知力、決断力が発揮され、試合運びをコントロールしたことが、ベスト16進出の推進力になりました。私はそれを、さらに一つ前のドイツ大会に向けたチームづくりの中で散々、批判されたジーコの「自主性」育成の置きみやげたと言っています。「決まり事」に真面目に従うだけでなく、自分たちの判断を活かした試合運びをする。そのタネを巻いたジーコの哲学が、南アフリカで花開いたのです。
 しかし、その貴重な財産はブラジルに向けた4年ですっかり胡散霧消してしまったのでしょうか??? それはドログバが登場しただけでビビッてしまうほど、はかない力だったのでしょうか(笑)。冗談はともかく、南アフリカでの実績を4年後に活かせなかったことは、日本サッカー協会の責任以外の何ものでもありません。
 しかし当のサッカー協会は「敗因の一つは試合運びのつたなさです」なんて、まるで他人事のようにシレっと言っている。まったく当事者意識がないですな。そして、次はアギーレがきっとやってくれるでしょう、と高見の見物のような姿勢です。
 都内の一等地にデ~ンと自社ビルを構え、小学生からシニアまで100万人の登録選手、審判から登録料を徴収し、放映権料、アディダスやキリンとのとのスポンサー契約などで何百億というオカネを動かす組織が社運をかけた一大事業で惨めな失敗をしたのに、こんな他人事を語るようなゆるい姿勢でいんでしょうかね??。普通の企業だったら、天地をひっくり返すほどの騒ぎになるはずなのに...。
 まぁ親方がこんなんじゃ代表チームも勝負強くなるはずないでしょうな。