天皇杯に動員!?

 国立競技場の改修にともない、天皇杯決勝が横浜・日産スタジアムで開催されるとのことになりました。このことで神奈川県サッカー協会は相当、色めき立っているようです。
 せっかくお膝元でビッグイベントが開催されるのだから、恥ずかしい運営内容では日本サッカー協会に顔向けができない....などと考える人は当然いるでしょう。また、7万人も入る競技場なのにTVに写ったときに空席があったのではみっともない....などと考える人もいるでしょう。さらには「もし、うまくいったら来年から決勝が横浜で行われることが恒例になるかも...」と張り切っている人たちもいるのでしょう。
 しかし、いずれも協会内部の人たちの「勝手な思い入れ」であり、神奈川県協会に登録しているチーム、選手にとってはたいしたことではありせん。国立競技場でやろうが、日産スタジアムでやろうが、多少アクセスが違うだけで大差はないのです。むしろ「陸上競技場」仕様の日産スタジアムは客席からビッチが遠く、非常に観戦しにくい。新設される国立競技場も総合型のようですが、もし、そちらの方が快適な観戦状況であれば、特にヨコハマにこだわる気はない、というのが神奈川県で活動しているサッカー関係者の本音です。
 ところが「色めき立っている」協会内部の人たちはそうではないようです。「決勝当日は公式戦を組まないように、ただし天皇杯観戦に間に合うスケジュールならよし」とのお達しがでているとか。日産スタジアムへの観客動員のために「自分の試合などしている場合ではない、皆で試合を見に来い」という命令です。強制動員なんて....へえ~戦時中ですか、神奈川県のサッカー協会は(笑)。しかも決勝戦に神奈川県勢がでているわけではないのに(笑)。
 驚いたことに、チケット購入も「半強制的」だとか。「半」というのがクセものですね(笑)。買わないと処分されるとか、そういうことはない。しかし「チームごとに最低~枚は買うように」との「お願い」という形の指示がでているわけです。
 「ぜひ今回の決勝を成功させて決勝の横浜開催を恒例に」とのかけ声ですが、それが成功して喜ぶのは誰ですか? 県協会内部の一部の人たちでしょう。その人たちの名誉だか実績だかが高まるということであって、登録チーム、選手には何の実益もない。なのにその日は公式戦するなだとか、チケット買えだとか、戦時中みたいな命令をしてくる。
 強制動員などしなくても、魅力ある試合ならば誰でも争ってチケットを奪い合います。強制的な命令でスタジアムを満員にするなど、まるで北朝鮮じゃないですか。「決勝戦をヨコハマに」などとマスゲームでもしますか(笑)。一部の個人の名誉や実績づくりのために強権を発動するよりも、グラウンド建設など登録選手のためになることに奔走してはどうですか。