オカネの催促で見えた人間模様

 4月に年度が入れ替わり、クラブの予算決算をまとめる作業の過程で通帳を見てビックリ、あり得ない残高....!? エエッなんでこんなに少ないの....!? 誰かが使い込み? そんなバカな。通帳とカードは誰にも渡していません...。
 通帳の出納記録を一つひとつ、しらみ潰しに調べていったら原因がわかりました。未入金の更新費、会費が出るわ出るわ、その額、しめて100万円にも達するかの勢い!!!。慌てて、該当する方々にご確認と納入のお願いをする作業に追われました。
 クラブの規定で指定の日に指定の額をお振り込みいただくことになってはいるのですが、どうしても忘れてしまうようです。大抵の支払いは「自動引き落とし」になっている中、クラブの会費だけはわざわざ銀行に足を運んで振込していただくのですから、しかたがない部分もあります。
 さて、振込状況の確認作業でものすごく苦労させられたのは、振り込み人名義が選手(子ども)ではなく保護者の名前になっているケース。特に同姓がクラブ内に何人もいるような「よくある名字」の場合は難儀しました。
 通帳はカタカナ表記ですから、字面だけ見た場合、保護者の父親?とおぼしき振込人と中学生の選手と同じ読み、などというケースもあるわけです。それでも「正しい額」が振り込まれていれば金額から誰のものか類推できるのですが、勘違いで足りなかったり多すぎたり、はたまた前回の不足分の充当です、などというものもあって、それがまたさらに間違った金額だったり....もうハチャメチャです(笑)。
 それにしても、本来は支払い済みであるべきものとはいえ、お金の催促ですから、あまりの気持ちの良い作業ではありません。特にわずか1000円、2000円を「足りませんからお願いします」などというケースはなかなか申し上げにくかったです。
 しかし、私の催促に対して皆様が(ごく一部、例外はありましたが...笑)穏便な対応をしてくださり、大変、助かりました。「少額ですから次回のお振り込みの際でいいですよ」といっているのに、「いえ、こちらの不手際ですから」と即日、お振り込みいただいた方もいました。「本来なら所定の日に正しい納入額を振り込むべきところ、失礼いたしました。今後は気をつけます」というお言葉は、多くの方々からいただきました。ほっとしました。
 一番、恐縮したのは、完全にこちらのチェックミスで、本来は支払い済みなのに「まだです」と催促してしまった方。「おかしいだろ!!。払っているはずだ!!!」とキレてもしかるべきなのに、振込日を記載し「この日に振り込まれているはずですから、もう一度、ご確認下さい」とのご指摘。「すみません。こちらのミスでした」と平謝りすると「こちらこそ自分の勘違いかとも思いましたが、クリアになってよかったです」と大人の対応。
 完全に私に非があるにもかかわらず、声高に自分の正義を押し出すのではなく、大所高所から落ち着いた対応をしていだだきました。自己正当化、相手の非難ばかりのモンスター親が多くなった昨今、そのような「大人」の保護者がクラブを支えて下さっていると思うと、とても心強いです。
 今回の未収金回収のやり取りを通じて、いろいろな人間模様を見ることが出来ました。多くの保護者の方々がとても良識的であることを確認できたことは、大きな収穫でした。きっと家庭内での子どもの教育、躾けについても、同様にされているのだろうと想像しました。