マリノスの暴挙-2

 前回、マリノスの下部組織が一部のしんよこフットボールパークの利用者を排除し、強引に自分たちの定期練習場にしようとしていることを紹介しました。もし、この強引なゴリ押しでしんよこフットボールパークに移動してくる選手の中にジュニアユース(中学生年代)が含まれているのなら、さらに大きな問題が生じます。
 神奈川県内のクラブチームのジュニアユースチームは全て「神奈川県クラブジュニアユース連盟」に加入しています。この組織に所属するにはまず、そのチームの主たる練習会場がどこで、大会のために提出できるグラウンドはどこかを書面で提出し、審査を受けねばなりません。練習する場所の確保もできておらず、試合で使えるグラウンドの見込みもないのに、チームだけ立ち上げて「試合だけはさせて」という他人におんぶにだっこの身勝手なチームづくりを抑制するためです。
 もともとグラウンド自体が少なく、特に横浜市などは悲劇的なグラウンド欠乏状況なので、あるチームの主たる練習場や大会に提出できるグラウンドが、時として他のチームとバッテングする場合があります。その場合、同じグラウンドを利用するチームどうしが協議をし、曜日や時間を譲り合うなどの調整作業を行い、場所の奪い合いをしない努力をすることが義務づけられています。
 同じグラウンドを使う者どうしがその使用方法を合意してはじめて、それぞれの「主たる練習場」が認められ、連盟所属のチームとして正統に活動できるという仕組みになっているのです。ところが最近、主たる練習場として登録している場所とは別のグラウンドに進出して、他のチームの活動場所を圧迫するようなチームがでてきているため、内規を遵守するようにとの通達がなされています。
 そんな矢先に明らかになったのが、マリノス下部組織のしんよこフットボールパークへのゴリ押し移転です。
 もし、マリノス・ジュニアユースが西区のマリノスタウンから港北区しんよこフットボールパークに移転し「主たる練習場」の変更をするというなら、連盟の規定にそって、まず、港北区に拠点を置く港北FC、大豆戸FC、YMCA、エストレーラ等のチームにその由、打診し、最初に活動場所、曜日、時間等の調整を願い出ねばなりません。そこで、マリノスが希望しているしんよこフットボールパークの利用枠等に関して合意調整が成立して始めて、マリノスの主たる練習場所が港北区しんよこフットボールパークに変更されるという申告を連盟に打診することができるのです。
 ところがこの事案に関しては、そうした調整のための協議など一度も開催されてはいません。「オレたちが行くからオマエらはどけ」と言わんばかりの態度が紙切れ一枚で示されただけです。
 県内の全てのチームが上記の規定を遵守して組織の秩序ある運営を維持しているのに、マリノスだけはそれを無視してよろしいという道理はどこにもありません。これを認めてしまえば、他のチームの練習場所にどんどん進出して場所取りをしてしまうという行為が容認されたことになり、今後、全県で骨肉の場所取り合戦がくりひろげられてしまいます。