代表メンバー発表。選出の難しさと抜擢にまつわるあれこれ

日本代表メンバーが発表されました。
それぞれに“オシメン”がいるファンの方々は一喜一憂したことでしょう。サブライズ選出は誰...と注目されましたが、私はかなりオーソドックスな選考になったと思います。基本的には各ポジションに2人ずつ選んだという感じです。
 サイドバックは長友、内田がファーストチョイスで酒井宏、酒井高がバックアップ。センターバックは今野、吉田がファーストチョイスで井野波、森重がバックアップ。
ポランチは遠藤、長谷部がファーストチョイスで、青山、山口がバックアップ。この4人の中からいろいろな組み合わせで2人を出す、という形です。
サイドアタッカーは岡崎、香川がファーストチョイスで、清武、斉藤がバックアップ。トップ下は本田一人なので、場合によっては(本田のケガでの欠場等)、香川が本田の代わりを務めるイメージもあるでしょう。
ワントップは柿谷、大迫が競い合い、大久保はその争いに加わるか、トップ下として本田のバックアップ。あるいは香川がトップ下に回ることも考えて、サイドアタッカー起用もあるのでは...。
豊田、川又ら前線でガツンと戦えるタイプが選出される可能性もあったのですが、大久保を選んだ結果、さらにもう一人センターフォワードタイプを追加するよりも、ドリブル突破という特色を持ったサイドアタッカーの斉藤を加えておいたのだと思います。
これまで選出されていなかったという点では大久保はサブライズ選出ですが、前線の選手たちの組み合わせを考えると、大久保のようなタイプの選出は当然の結果だったと思います。もちろん、得点をたくさんとっているという点も重要です。
大久保を選ぶなら、絶妙のコンビを組む相方、中村憲剛を選んでよ、というファンも多いでしょう。私もその意見には賛成です。私だったら清武を選ばず、中村憲剛を入れた上でMF陣の組み合わせを考えたと思います。
ともあれ、メンバー選考とは骨の折れる作業です。スタメン選考はもっと悩ましい作業です。中学生くらいまでなら、能力の高い順に11人並べれば間違いなくチーム力も最高になりますが、大人の場合はそうはいきません。時として1プラス1を11人分重ねても結果22にならないことがあります。逆に、一部に0.8とか0.9と思われるメンバーを加えても、最終的に11人の総和が22以上になることもあります。
順当に1プラス1をしていくスタメン選考なら誰でもできます。しかしそこに0.8や0.9と思われる選手を抜擢するには相当な勇気が必用です。負ければ「なぜあのようなメンバーで?」と批判されることは明らかだからです。しかし、そこで0.8,あるいは0.9と心配していた選手が活躍してくれてチーム力の総和が22以上に発揮されたとき、そうした選手を長い目で育ててきて本当に良かったと指導者は感じるのです。