バカ親(怒)

 成人チームの試合のために訪れたサッカーグラウンドでキックオフ1時間以上前...。
 芝生に寝そべって不機嫌な顔をしているジャージ姿の父親のそばでボールを抱えてオイオイ泣く小学生低学年とおぼしき息子。どうやら父親が何か課題を課したものの、それをなかなか達成しない息子に腹を立てているという様子。あ~あ、可愛そうに。こんなバカ親の元に生まれて(笑)。
 しばらくして私たちのチームのウォームアップが始まりましたが、その傍らで依然として不機嫌に命令する父、泣きながら失敗を続ける息子。どうやら課題はリフティングのよう。泣きながらリフティングしてはボールを落とす息子の横で、できるまでは絶対に妥協しないからな、という姿勢を見せつける父親。あ~あ、バカ親丸出し。 
 やがて試合がキックオフされました。それでも父子は場所をタッチラインの外のスペースに移動してリフティング練習を続けます。私がグラウンドに到着した時点で既にその子は泣いていたのですから、かれこれ1時間30分以上、泣きながらリフティングを強要されているわけです。
 試合が前半の途中くらいになった頃でしたかね、ようやく父親のしごきが終わったのは。推定2時間以上、泣きながらのスパルタ。果たして目標の回数リフティングできたのでしょうか、あの子は...。
 目標が達成したか否かは別として、あの子にとって地獄のような時間だったことは間違いありません。課題は難しい。頑張っても頑張ってもできない。でも、父親はできるまで許してくれない。悲しくなって泣くのだけれど、泣いたってムダだぞ、とでもいうような冷たい父親の態度。そんな状態が1時間も2時間も続く....。
 このバカ親、例えばボールを当てる場所や、フォームなどをアドバイスするなど、一緒に頑張る、サポートして応援する、という姿勢は皆無。何様のつもりかは知らないけれど、芝の上に寝ころんだり座ったりして、自分は楽な姿勢をとって文句ばかりつけている。「キサマのその低級な遺伝子のお陰で息子はヘタになってしまったんだよアホ!!」と言ってやりたい気分でした(怒)。
 あの子がサッカー嫌いにならないことを祈るばかりです。そして、仮に彼がこの試練に耐えてサッカーを続けたとしても、あのようなバカバカしい形式が上達のために必用なことなのだという間違った概念を身につけないよう願うばかりです。