裏まで読んで想像力を働かせて

 選挙の公示がありました。選挙で「勝ちたい」というのはスポーツの試合と同じで、候補者、政党はさまざまな戦術、戦略を使って戦います。
 サッカーでは、アイコンタクトとか、ゾーンプレスだとか、フラットスリーだとか、心地よい響きの「看板」があると「何かすごいことやってくれそう」というイメージが膨らむようです。だから、そんなものは何もないよ、TPOに応じて誰でもわかる正しいプレーをすければいいだけ、というジーコ監督は「策がない」と批判されました。
 選挙でもいろいろなスローガンが掲げられていますね。消費税、脱原発、卒原発憲法改正....。でも何か耳に響きが良くて、新しい道を切り開けそうな「イメージ」があるものには、十分な注意が必要です。また、それを説明する政治家の話も、美辞麗句の裏をきちんと読まねばなりません。
 国防軍集団的自衛権などという空恐ろしい言葉が飛び交っています。「国を守る」という格好いい言葉に彩られて。危険ですね。いやですね。
 「オマエ、それでも日本人か!!。攻めてこられたらどうするんだ」「隣でアメリカ兵が撃たれているのに、自衛隊は撃ち返せないんだぞ、おかしくないか」というのがイシハラさんやハシモトさんの言い分。
 指先のネットゲームで毎日、殺した殺されたとRPGを楽しんでいる若者は、そんな煽りに対して「そうだよな、やっば、やったらやりかえさなきゃだめっしょ」と軽く乗ってしまうのでしょうか。

 よく考えて下さいよ。国防軍集団的自衛権などと強がっている奴ら本人は、いざとなったら決して最前線で戦ったりしないんですよ。自分は安全なところに隠れていて「いけいけ」と言うだけなんですよ。血が噴き出したり、腕がもげたり、目玉が飛び出たり、腸がえぐられたり、イシハラさんが「検討しろ」といっている核が使われれば一瞬にして跡形もなく蒸発してして遺骨も残らない兵士は、誰あろう君たちがなるのですよ。
 そういう想像力なしに、まるでゲームか映画の地球防衛軍のような感覚で考える。それが恐ろしい。消費税、社会保障原発、TTP...これらの政策に対して吟味することは大切です。同時に、憲法改正について何を主張しているのか、その部分にもしっかりと目を向け、想像力を働かせねばいけません。