プレミアリーグ始まります

 いよいよプレミアリーグが今週の土曜日・13日に開幕します。一足先に開幕したドイツ・ブンデスリーガでは香川選手や岡崎選手が活躍し、その他、日本人選手も多く在籍しますが、イングランド・プレミアリーグもお忘れなく!!!!

何と言ってもまず気になるのは、ベンゲル監督がアーセナルの一軍起用を表明した宮市亮選手。オランダ・フェイエノールトでの武者修行中に高い評価を得ました。ただ心配なのは就労ビザの獲得。プレミアリーグで選手登録するには、母国代表チームでの出場数などかなり厳しい条件があります。高卒でいきなり渡英した宮市君は、そうした条件をほとんど満たせていません。チームが特例として申請するとのことですが、果たしてどうなるのか。宮市君がアーセナルの左サイドを疾駆するシーンが実現することに期待しましょう。
 ビッグ4の一角リバプールが不調の間に代わって躍進したのがマンチェスター・シティ。アラブの大富豪のてこ入れで湯水のように、いや石油のように..?お金を使って補強を繰り返しました。今季の目玉はアルゼンチン代表のセルヒオ・アグエロ。とにかくゴールに対するアグレッシブな姿勢はすごい。イングランドのプレー風土によく馴染むと思います。見ていて楽しい選手です。

 このアグエロ、なかなかのイケメンなのですが、奥さんはなんとあのマラドーナの娘。ということは,,,,生まれた子供の血筋は超、超、超、サラブレッド。日本で言えばヤワラちゃんと谷選手の子ども並み,,,,?。どんな運動能力を秘めているのでしょう。将来が楽しみです。
 さて、私が解説を担当する開幕戦はチェルシー(vsストーク)。このチームの話題は何と言っても新監督アンドレ・ビラス・ボアス。選手経験ほとんどなし。ランパードドログバと同年代の33歳。ポルトを無敗でボルトガルリーグ優勝に導き、ヨーロッパリーグ(チャンビオンズリーグに出られなかった上位チームによる大会)でも頂点を極めました。修業時代、あのモウリーニョを補佐して分析担当をこなしていた経験があり、モウリーニョの再来として期待が高まっています。

ビラス・ボアスのように戦術分析、理論構築に長けた若い監督が、野心に燃える無名選手の集団を躍進させるケースはしばしばあります。お互いに失うもののない大胆さが相乗効果を生み、ビッグクラブのように厳しくマークされない隙を突いて勝ち進むのです。では、そうした勢いがビッククラブでも同じように再現できるのか、というと話は別です。
 相手は褒めて登用すれば勢いづく若手ばかりではありません。皆、目の玉が飛び出るほどの年俸をもらい、自信とプライドの固まりのようなくせ者ばかりです。監督の理論に基づく新戦術、新シフトなどがうまくいけばいいのですが、仮に少しでもつまづくようなことがあれば「お前ごときに何がわかる!!」と一斉に不満が爆発します。「健闘」で評価される小クラブと違い、圧倒的な勝利が義務づけられているビッククラブではメディアの評価も厳しく、フロント、ファンの視線も並みではありません。
 そんな状況でも常に結果を残したからこそ、モウリーニョは自ら言うように「スベシャル・ワン」なのです。ビラス・ボアスの気の毒なところは、何かにつけて、このモウリーニョと比較されることでしょう。本人は嫌がっているようですが....。
 ともあれ、昨期優勝のマンチェスター・ユナイテッドを率いたアレックス・ファーガソンは今年70歳。その老練なチーム作りに、若き指揮官ビラス・ボアスがどのように挑むのでしょうか。彼の采配にも注目して下さい。