ファルカオのマン-U入りに思う、日本のストライカー....

  プレミアリーグ、優勝候補たちが早くもつまづいています。マンチェスター・シティはストークにホームで0-1で敗戦。マンチェスター・ユナイテッドは昇格組のバーンリーと0-0で引き分け三戦して未だ勝ちなし。アーセナルはこれまた昇格組のレスターと1-1の引き分け。唯一チェルシーが難敵エバートンを6-3という派手な撃ち合いで制し、モウリーニョ采配の勝負強さを誇示しています。
 移籍市場最終日にビッグニースが舞い込みました。コロンビアの強力ストライカー、ファルカオがマン-Uにローン移籍、その結果、マン-Uのイングランド代表ウェルベックアーセナルに移籍、優勝候補たちの「前線の顔」が様変わりしました。特にファンペルシー、ファルカオルーニーを並べるマン-Uは、3番、4番、5番が全部ホームラン王経験者という野球チームのようなもの(そういえばそんなチーム、日本のどこかにあったたような....)。これで「まだチームが完成するには時間がかかる」などと言っているファンハール監督、保身のリスク管理しすぎでしょ、目指すはレアルですか?(笑)。
 ともあれ、サッカーではストライカーが最も大きな役割を果たし、サッカービジネスでも最も大きな取引のターゲットになることはご存じの通りです。名将(と自分では自覚しているはず・笑)ファンハールでさえ、戦術うんぬんよりも、ファンペルシーとルーニーファルカオを加える。それほどストライカーが大事ということです。
 そのストライカー、日本ではほとんど見たことありませんよね(笑)。なんだか「それらしい」選手はいるにはいるようですが、みんな揃いも揃ってW杯に行くとゴールエリアからシュートを外したり、相手DFに簡単につぶされて倒れたりしている。
 そもそもストライカーが育つ見込みがないから、みんなでバス回し合って、できるだけたくさんチャンスをつくって、その中から誰かが点が取れればいい....というのが、いわゆる日本式バスサッカーの根本。「脱パスサッカー論」でも書いていますが、私に言わせればそれは「数打ちゃ当たる戦法」。つまり、一つひとつのシュートに対する真剣さ、集中力が低下しかねない思想です。
 どんなにポゼッション率高めてバスつないだって、最後には誰かがキチンと決めきる仕事をしなければ点は獲れません。「それオレのこと?オマエだろ?」「ええっ、オレかよ? オマエじゃないの?....」といってバスを回し合っているうちはW杯グルーブリーグ突破できません。
 日本ではストライカーは育たない.....という説がまことしやかに語られ続けていますが、それは大間違いです。育てる努力をせず、育てる環境を整えていないだけです。そもそも何事においても「日本では...」という枕詞をつけて、まっとうな闘いから逃げること自体がみじめな敗者の思想。「日本では」を言い訳にしてはいけません。