指導力いろいろ

 我が港北FC、日曜日の敗戦で神奈川県リーグ2部降格が確定してしまいました。
 昨シーズン後半、尻上がりに調子を上げて勢いで昇格してしまいましたが、考えてみれば2部でも3敗もしていたチーム。もともと昇格に相応しい「本物の力」は無かったのです。1部リーグでは試合ごとにいろいろな戦略を立てて臨みましたが、そんな小手先の策略が通用するのもほんの一部分。90分の試合を通して「ごまかし」続けることはできません。どこかで「チームの質の差」は冷徹に示されてしまいます。年間のシーズンを通して「やり繰り」で勝ち星を拾えるほど県のトップリーグは甘くありません。
 プロなら降格の責任を取って監督をクビになるところですが、アマチュアではそうならないのが辛いところ。わずか2勝しかできていないことで私の指導力不足は明らかなのに、来期もまた、恥を忍んで指導は継続しなければなりません。「辞めさせてもらえない」というのも、けっこう辛いものです(笑)。
 さて、名将モウリーニョ。リーグでエバートンに苦杯を喫し、チャンピオンズリーグでもバーゼルに足元をすくわれ、かつての勝負強さにも翳りが...!?と騒がれました。しかし、さすがにモウリーニョ。きちんと立て直しましたね。マンチェスター勢やトットナムがもたついている間に今週末、ノリッチを手堅く下して3位に浮上してきました。
 そのチェルシーに黒星をつけたエバートン。監督のマルチネスは昨シーズン、ウィガンを降格させてしまった人。ただし、指導力の高さには定評があり、ウエールズの小チーム・スウォンジー率いて旋風を巻き起こしていた時には「バルセロナのよう」と表されたプレースタイルを根付かせました。
 ウィガンに引き抜かれからは目覚ましい活躍ができず、チームを降格させてしまったのですが、それでも名門エバートンに呼ばれて采配が振るえるということは、彼の指導力が正しく評価されていたからでしょう。事実、エバートンは素晴らしくコレクティブなサッカーで現在7位につけています。
 モウリーニョのように、どこにいっても結果が残せるのが真の名将。マルチネスのように、全てのチームで結果が残せなくても、それなりの環境(選手、チーム)が与えられれば結果を残せるのも名将。優勝はなくても、どんな環境でもチーム強化を推進できるのが「知将」。それなりにいい選手を揃えてもらって、そこそこの成績を残すのは「並」の指導者。いい選手を揃えても、妥当な成績が残せないのが「下」の指導者。いい選手を揃えて、人工芝の練習場所等、申し分のない環境をもらって、雇用など安定した立場も確保して、それで成績が残せないのが「ただのアホの道楽」。
 私の場合、練習環境も、指導者としての立場も不安定ということで、かろうじて「アホの道楽」ではないという言い訳は成り立ちそうですが....。