オリンピック

 なでしこジャバンがW杯に優勝し、次はロンドンオリンピックで金を、と騒がれています。しかし、前途は多難です。
 予選は日本への敵意がむき出しの中国開催。ほぽ一日おきほどのハードスケジュールで難敵の北朝鮮、中国との対戦が最後二試合。苦戦は必至です。仮に本大会に進めたとしても、ドイツもスウェーデンアメリカも、今度は高をくくらずかなり気をきしめて向かってきます。今回の経験を生かし、がんばってほしいものです。
 さてオリンピックと言えば、東京招致が期待されています(一部の人にですが)。W杯と並ぶビックイベントの招致は本来、多くの人の共感を呼ぶはずですが、今ひとつ盛り上がりません。なせでしょう。それは、先頭に立って旗を振っているのが石原都知事だからではないでしょうか。 

石原都知事は、何かにつけニッポンジン、ニッポンジンと叫び、国粋主義丸出しの人物です。愛国自体は決して悪いことではないのですが、彼の場合、その愛国の反面に強い外国人蔑視の思想が透けて見えます。東京で起きている凶悪犯罪は第三国人によるもの、と発言した2000年4月の陸上自衛隊記念式典での発言は物議を醸しました。
 先日もなでしこジャバンが決勝に臨む際、感想を求められて「とにかく最後にアメちゃんだけには勝ってもらいたいな。そしたら日本人は溜飲を下げるよ。アメリカが日本に負けろと言ってくるかもしれないけどね。そんなことはしねぇだろうが、とにかくコテンパンにやっつけてもらいたいな。オレなんか古い人間だから、65年の遺恨というものがあるわけだよ、闘いに敗れてからの。君らは全然感じてないだろうが」と発言しています。
 いまだに戦争の恨みですか.....。それはともかく、ニッポン、ニッポンと言うならば、まず美しい日本語を使いましょうよ。アメちゃんだとか、~ねぇだろうとか、オレだとか。そういう下劣な言葉を公衆の前では慎むのが古来の日本人の美徳のはずですよ。
 まぁこのように日々、ガイコクジンなんか!!!と敵意丸出しにしている人物が「平和の祭典で世界と仲良く」なんて叫んでも、あはは~ウソこけ!!!となってしまうわけですよ。あの人の国際平和ほど説得力のない空論はないでしょう。 

 石原都知事は防災訓練に名を借りて東京の要所に自衛隊を繰り出し、銀座に装甲車を走らせ、地下鉄に防護服を着た隊員を送り込んで悦に入った人でもあります。とにかく戦争大好き。「イザとなったらやってやるぞ、オラオラ」と肩をいからせている人。つまり友好、平和という概念から最も遠い位置で睨みを利かせているカタブツなのです。
 だからそんな好戦的な人物がオリンピックを招致するためのお題目をいくら唱えても、私たちにはその場しのぎの白々しい作文にしか思えないのです。「つまり、都知事として何かやりました、という華々しい実績を残したいわけね」と見透かされているわけです。個人の名誉欲のために莫大な予算を使うわけにはいきませ~ん。