自分だけ...は慎みましょう

 震災に直接関係ない東京、神奈川などで生活用品の買いだめをする人がでています。「もしも」のことを考える気持ちがわからないでもありません。しかし、そうして今、必ずしも必要でないものを必要以上に購入する行為が、震災で苦しむ人たちをより苦境に追い込み、ひいては自分たちの首を絞めることにもなるということを自覚しましょう。
 昨日、我が愛車もついにガソリンが残り僅かになりました。スタンドはどこも閉店。ようやく販売しているところを見つけましたが、整理券をもらい購入時間帯の指定を受ける状況。見ればすでに長蛇の列。そこまでして給油すべきかと考えながら給油を見送り、用事をこなし帰路へ。道すがら空いているスタンドがあればそこで給油を、と思っていると幸運にも一店、見つけました。しかも意外にすいている。
 ハンドルを切って給油機に近づくと、何やら緊迫した異様な雰囲気。きっと何かあるのではと思い、軽くクラクションをならして店員を呼びました。すると「すみません。反対車線に列ができているので、そちらにお並び下さい」と店員。「やっばりな~」そんなことだろうと思いましたよ。よく見ればライトを消灯し静かに並ぶ車の列がはるか遠くまで。「それで、どれくらい並ぶのですか?」と問えば、「皆さん2時間くらい並んだと言ってています」。既に時間は夜10時近く.....。
 もちろん辛抱強く並んで給油することはできますが、覚悟を決めました。無理に給油するのは止めます。しばらく車に乗るのを止めます。車がなくても何とかなります。今日、雑誌社から取材を受けますが、約束の場所までは歩いて40分くらいなので歩いていきます。ついでに自転車も買ってしまいましょう。自転車を使えば、サッカーの練習場所まで2時間くらいでいくでしょう。最近、トレーニング不足なのでいい機会です。
 さて、Jリーグをはじめ各スポーツも中止、延期が相次いでいます。そん中、プロ野球パリーグは開幕を延期しましたが、セリークは予定通り開幕だそうです。「日本はくたばってないぞ、ということを野球をやって見せてやるんだ」とは渡辺恒雄・読売巨人会長。決定にこの人の睨みが効いているのは明らか。
 「他は知らないが、オレらは大丈夫なんだ」という理屈。自分しか見ていない。自分の都合しか考えていない。チームワークを旨とし、対戦相手へのリスペクトを旨とするスポーツ精神に最も反する哲学。以前、近鉄バファローズ消滅問題で1リーグ制への以降が取り沙汰され、古田敦也さんをリーダーに選手会がストを実施した際に「やりたければど~ぞ、たかが選手が」と吐き捨てた人物。金、地位、権力はあっても、人として老醜をさらし続けている姿は実に惨めですね。
 もちろん、スポーツで人々を勇気づけるという見方もありますが、「節約を呼びかけている中で試合をやれば、車や電車に乗る人も増えて、ますます混乱を招く可能性がある」というヤクルト・宮本選手の指摘は冷静です。阪神・金本選手も「犠牲者がどんどん増え、水や食料もなくて風呂にも入れない。ある程度生活が確保されないと(スポーツどころではない)」と語っています。「たかが選手」の方がずっと賢く的確な判断力を持っています。
 石原都知事渡辺恒雄会長。「天罰」が下されるべきはこういう人たちでしょう。