「意味」を理解できる人間になれるか?

 徳間書店から「子どもがスポーツをするときにこれだけは知っておきたい10の本質」を上梓します。

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 拙著「スポーツは良い子を育てるか」「賢いスポーツ少年を育てる」で訴え続けてきた「少年時代にスポーツする意味」を再確認しつつ、公的組織の管理強化、SNS同調圧力などの影響で画一化、従属化が進む少年たちの行動の中に、スポーツを通じて「自立」を促していくための提案が盛り込まれています。

 時あたかも新型コロナ騒動。TPOを度外視しての中止、禁止、延期、が乱発されています。震災の時の節電騒動、昭和天皇崩御の時の自粛騒動を思い出します。「横並び」に紛れることで思考停止をしてしまう。

 最近、自分が指導する子どもたちに「コンピュータや機械と人間の違い」を強調しています。厳然とした違いは「意味を理解できる」ことであると。

 塾で鍛えられている子どもちたは、最速で正解にたどり着くための方法に長けています。しかし、「なぜ、それをしているのか?」について、つまり「意味」はほとんど考えない。プログラム通りに正確に動く機械に似ています。

 日本の青少年の読解力、理解力が年々、低下しているとのこと。指示されたことを、まじめに、正確に、しかし「流れ作業」のように淡々とこなす子どもたちを見ていると、「ああ、こういうことなのだ」と納得します。

 子どもたちが、聞き分けの良い、指示に忠実に従う、真面目な「機械」になっていくことを、スポーツは食い止めることはできるのでしょうか? この本を読みつつ、考えていただきたいと思います。