リバプールのピンチ

 イングランドの名門、リバプールがピンチです。ブラックバーンに完敗して何とアウェイ4連敗。負け数も8に増えました。救世主になるはずだったホジソン監督は散々の成績のまま解任です。
 ホジソンは代表チームからクラブチームまで、世界中をコーチして歩いたツワモノ。それなりの実績を残し、前任のフルアムでも下位の常連を躍進させた腕を買われ、リバプールの再建を託されました。しかし、彼は発展途上のチームをそこそこの位置まで引き上げることを得意とするタイプだったのですね。一流どころをまとめて常勝チームに仕立てる仕事は向いてなかったのかもしれません。
 どん底まで落ちた感のあるチームを託されたのはレジェンドのケニー・ダルグリッシュ。実績、説得力、吸引力とも申し分ない人です。しかし、ここまでリズムの狂ったチームをダルグリッシュはどうやって立ち直すのでしょう。

 ブラックバーン戦の最初の失点はDF同士が交錯してしまった後をつかれたもの。DF同士が慌てて重なってしまう失態はウルブス戦での失点も同じ。チームの状態が悪いとこういうことが往々にしておこります。攻めも最悪。自信を失っているから不安と疑心暗鬼が交錯するので、どうしてもパス交換のリズム、テンポが少しずつ狂います。
 そんなちぐはぐなチーム状態を見取った相手は、名門を叩くチャンスとばかりに、かさにかかって攻めてきます。恐れ、迷いなく仕掛けてくる。悪循環は続きます。ブラックバーン戦では終盤、幸運にも巡ってきたPKのチャンスを何と何と、頼りの綱のキャプテン、ジェラードが失敗。神はそこまで見放すか、という感じ。
 今週の日曜日(16日)の解説担当は、そのリバプールが同じ街のライバル、エバートンと対戦する試合です。それぞれのホームスタジアムが500mほどしか離れていない関係。ホームとはいえ、リバプールにとって最も難しい相手の一つです。ダルグリッシュの神通力がどこまで効力を発揮するのか。楽しみでもあり、少し怖い気もします。