ネット社会の恐ろしさ

 先日、横浜市日吉台西中学に招かれての講演の話を報告しました。後日、私のそのブログを読んだご父兄の一人から連絡を受けました。講演後の質疑応答で、理不尽な指導者に悩んでいるという発言があったことを採り上げたことに対して「心配だ」というのです。その理不尽な指導というのが、日吉台西中学の教員のことと思われかねない、という心配でした。
 なるほど、私の文章を読み返してみると、そのように判断してしまう人が絶対ないとは言い切れません。そこで、この場を借りて、より正しく伝え直すことにします。
 日吉台西中学は講演の会場になりましたが、参加者は同校の父兄、教職員のみならず、地元小学校の父兄、スポーツ関係社も参加していました。そして質疑応答で「理不尽な指導をされて困った」と発言したのは、中学校とは関係がない、地元小学校のサッカークラブに子どもを通わせている父兄からでした。
 日吉台西中には、グラウンドの借用も含めて過去、何度か足を運んだことがあります。教職員の方々は副校長先生を筆頭にとても温厚かつ誠実で、信頼できる教育者という印象をもっています。何よりも子どもたちの表情が明るく、私のような部外者への挨拶も積極的にしてくれて、そうした何気ない日常が学校の教育が穏やかに進められている証ではないかと感じています。
 そう実感しているからこそ、「心配だ」というご父兄のお話には驚いたのです。「ご心配は無用でしょう。誰だって実際に学校に行って子どもたちの表情、行動を見れば、あるいは町中を行き来する生徒たちの態度を見れば、先生方の指導が適切であることは一目瞭然なのですから」と私が言うと、「いやいや今の親はネット情報を鵜呑みにして直接行動に移りますから」とのこと。
 つまり、ネット上に少しでもネガティブな評価が掲載されると、自分の目や耳で確かめもせず、ネット情報を丸呑みにして信じ、例えば進学を見合わせるなどという行動に結びつける親が増えているとのことです。また、そうした歪んだ情報はまたたくまに「まことしやかに」広まり、いわれのない誤ったイメージがつくられていくのだそうです。そういえば、あることないことを悪意をもとにあげつらう「学校裏サイト」なる下劣なネット情報もありますね。
 「ははは、そんなバカな親子はむしろ進学してこない方がいいじゃないですか」と対応した私ではありますが、それでも日吉台西中の誠実な先生方と、くったくのない笑顔の生徒たちを思い出すと、彼らに万一いわれのない誤解が生じたから大変だと思い直しました。
 ですからここで改めて宣言します!!!。誤ったスポーツ指導の話は日吉台西中とはまったく無関係です!!!。
 学校の理念と歴史をお話いただいた副校長先生ありがとうございました。私が車を駐車場に入れる際、生徒指導中なのに走ってきてわざざわざ門を開けてくれた若い大柄なゴツイ先生(名前は存知ませんが) ありがとうございました。ネット情報に悩まされることもあるでしょうが、今まで通り、ご自身の教育理念を大切に子どもたちと向き合って下さい。生徒たちの生き生きした姿が何よりのあなたたちの信念の証です。