W杯-4

 韓国がどこまでアルゼンチンを脅かせるかと期待しましたが、やはり攻撃力の差はいかんともしがたいものがありました。マラドーナ監督はメッシ、テベスイグアインアグエロミリートの中から3人を選べばいいのですから、選択基準の高さはとてつもないレベルにあります。欧州チャンピオンズリーグで大活躍したミリートでさえまだ一度も出られないのです!!!

 韓国は選手もチームもレベルアップした分、高度なサッカーをして対抗しようとしすぎた気がします。アルゼンチン相手にきちんとつないで、見事に崩して攻めようとしていた。しかし残念ながら、同レベルでしのぎを削るにはまだ少しは早かったかな、という気もします。終盤、ビルドアップをある程度省略して強引にゴール前にボールを入れる攻撃をした時の方が、アルゼンチンは手こずっているように見えましたし韓国選手の心と体の強さも活かせたと思います。

 比較的楽に勝つのではないかと思われたナイジェリアはギリシャに足下をすくわれました。試合の流れをガラリと変えたのはナイジェリアの退場です。懸命に守った時の接触プレーとか、ボールを巡る奪い合いで勢い余ったプレーなどによる退場ならまだしも、プレーが完全に途切れた後に相手を蹴るような乱暴な行為で示されたレッドカードでしたから、残された10人の「バカなことをしてくれた」という落胆は大きかったでしょう。10人になったにナイジェリアは堅く守ってカウンターをしかける気力も失せた感じで、W杯初得点、初勝利に燃えるギリシャが圧倒して勝ち点3を獲得ました。

 フランス対メキシコは、ポクシングで言えば腕を振り回すフックの撃ち合いではなく、鋭いジャブとストレートを打ち合うような、切れ味のある素晴らしい攻め合いでした。互いにスピーディーなパスがつながれ、しかも、それは常に突破のイメージを含んだタテバスになっていく。ポゼッションのパスはこのようにつなぐのだという見本を見た気がしました。こうした試合は一瞬のスキを活かした方が勝利をたぐり寄せるもの。メキシコがオフサイドトラップの逆をついて1点、さらにカウンターから思い切ったドリブル突破をしかけてPKを獲得し2-0、フランスをグルーブリーグ敗退の窮地に追い込みました。

 スペイン、フランス、セルビアポルトガル----。ポゼッションが得意のチームがその長所を生かし切れていない試合が目立ちます。