すばらしいセンターバック。プレミア3位争い

 前回のエントリーから随分と時間かあいてしまいました。その間、いろいろな試合があり、印象に残るシーンも多くありました。
 最も印象的だったのは、チャンビオンズリーグのバルサvsインテルです。第一戦で1-3リードされたバルサがホームでインテルをいかにして攻略するのか、世界中の関心が集まりました。しかもインテルは退場者を出して10人に。10万人の大観衆の声援を背にバルサは10人のインテルを攻め続けましたが、奪えたのは1点。合計2-3で決勝進出はインテルとなりました。
 世界最高と評してもおおげさではないバルサの攻撃を10人でしのいだインテルの守備は見事としか言いようがありません。もちろん、名将モウリーニョの指導が徹底された成果でもあるでしょうが、一方で、選手一人ひとりが「今、自分が何を為すべきか」ということをしっかりと認識し、適切なプレーを継続した結果でもあると思います。
 それにしても、その守備の中心となったルシオ、サムエルの両センターバックの守備力は見事としか言いようがありません。彼らはなぜ、あんなに素晴らしい守備ができるのでしょう。それは、もちろん、彼らの類い希な素質もありますが、その一方で、彼らが育った環境で常に強力な突破力を誇るアタッカーたちと対決していたからだと思います。
 ルシオの母国ブラジル、サムエルの母国アルゼンチンとも、常に世界的なアタッカーが輩出されています。ブラジルからはペレ、ジーコロナウドリバウドロナウジーニョ、カカ、アンゼンチンからはケンベス、マラドーナ、バティステュータ、メッシ、アグエロテベス----。すぐに思いつくだけでも次々に名前が出てきます。少年時代から日々繰り返される強いアタッカーとの切磋琢磨が、優秀なDFを育てるのでしょう。バスばかりが目立つ日本では、どんなDFが育つのでしょうか---?
 さて、ブレミアリーグでは終盤、チェルシーマンチェスター・ユナイテイドの優勝争いと同時に、来期のチャンピオンズリーグ出場権である4位以内を争う闘いも激しさを増しています。マンチェスター・シティは、テベスの活躍でアストンビラを下し、4位確保まであと一歩というところまでいきましたがトットナムとの対決で0-1と競り負け5位に後退してしまいました。そのトットナムは最終節の結果でアーセナルと3位を争います。3位になれば、予備選をせずにチャンピオンズリーグ本戦から戦えるので、長いシーズンを考えると、どうしても確保しておきたいところです。
 白いユニフォームのトットナムと赤いユニフォームのアーセナルの対抗意識の高さはよく知られています。互いに最も負けたくない相手です。最終節はそれぞれ別のチームと対戦するのですが、トットナムアーセナルと、アーセナルトットナムと試合している気持ちになるでしょう。私はアーセナル戦を解説担当することになりました。皆さんも優勝争いと共に、3位争いにも注目して下さい。