ドイツ優勝から学ぶこと

 ドイツが優勝しました。アルゼンチン優勝と予想していましたが、見事に外れました。
 アルゼンチンは決定機が数回ありましたが、いずれもイグアイン、パラシオらシューターが痛すぎるミス。GKノイヤーの威圧感があったのでしょうが、決めるべき時に決めておかねば痛い目に遭う、というのはアマチュアからトッププロまで世界共通の真理ですね。ちょうどその12時間くらい前、W杯とは遙かに離れたレベルの試合ではありますが、私が指揮するチームも開始早々の決定機をたて続けにあっさりとミスし、最終的にはみっともない敗戦をしていました。レベルでは雲泥の差があるけれど、試合を決定づける要素は同じだな、と思いました。
 ただし、我がチームと違ってアルゼンチンは見事な闘いぶりでした。難しい局面で決して安易なパスに逃げず、まず個人の頑張りで打開しようとする姿勢は素晴らしかったと思います。それに、攻めでも守りでも、本当に最後の最後のまで諦めない。全知全能を尽くして「闘っている」という意志を感じました。
 対するドイツも解説の岡田武史さんが「ドイツは当たるべきところは当たり、戻るべきところは戻り、走るべきところで走る。どんなに辛くても絶対にサボリませんね」と感嘆するプレー。「人まかせ」にしたり、「言い訳」で逃げるようなことは絶対にしない。自分がすべきプレーに対してとても強い責任感を持っていました。
 かたや我がチームは再三、シュートミスをした後の逆襲で与えたセットプレーに対して、みなが棒立ちになって誰一人として必死に止めようとせず、相手のファーストシュートでいともたやすく先制点を献上してしまいました。その「人まかせ」の実になさけない姿を見た後だっただけに、ドイツ選手の妥協のない献身的なプレーには余計に感動してしまいました。
 きちんとボール止めて蹴って、動くべき時に動くべきところに動く。必用とあれば、攻めでも守りでも、体を投げ出してその場ですべき最大の努力をする。それを90分、場合によっては120分やり抜く。一つも目新しいことがなく、言い古された、誰でも知っている事を弛まず誠実に遂行する。ドイツが示したプレーは、攻撃的か守備的か...とか、個か組織か...とか、ポゼッションかカウンターか...とか、些末なことをあれこれと論議している日本のサッカー界に「そういうことじゃないんだよ」と冷や水をあびせたのではないでしょうか。
 いろいろと小難しいひと言ってても、代表選手がペナルティエリア内でフリーで撃つシュートが入らないんじゃ話にならないでしょう。日本代表の練習はキック練習からやり直した方がいいんじゃないですか...真面目な話。狙ったところに蹴れないんじゃ、戦術も何もないでしょうに(笑)。。