土曜日にも勉強すればより賢くなる?

 学校の週休二日を止めて土曜登校に戻そうとするプランがあり、それに賛同する親が多いという調査結果が、ある企業から発表されました。
 その背景には、いわゆる「ゆとり教育」が学力低下を招いているという説があり、学力を取り戻すにはやはりもっとたくさん勉強の時間をとった方がいいという考えがあるようです。スポーツと同様、なんで日本人はこうも「とにかく量をこなせばよい」という考え方が好きなのでしょうね。汗水垂らして歯を食いしばってやっていれば必ず道が開けるという観点、大好きですよね。
 まぁ長時間やっても短時間ですませても、バカはバカ、賢い子は賢いのです。量では決まりません。土曜日一日増やして賢くなるなら、詰め込み教育して賢い子が増えるなら、どこの国だってやってますよ、とっくに。
 私に言わせれば、今の子はすぐに正確な計算もできるし、難しい漢字も知っているし、へたすると英語も話せる。私の子ども時代よりはるかにはるかに勉強はよくできる。というか、学校の教科については正しく「覚えている」。でも、自分で発見する力、工夫・応用する力はとても弱い。つまりテストで点を取る力はついているが、人として生き抜く知恵が乏しい。
 土曜日に学校に行かせて、もっともっといろんなことを覚えさせても、テストができるようになるだけ。知識の量が増えても、その「使い方」を訓練しなければダメじゃないでしょうか。
 そもそも、土曜に学校に戻したいという親の本音は、うるさい子どもが家にいられると何かと手がかかって大変だから、ということではないのでしょうか(笑)。学校に預けておけば、取りあえず家は静かになり、一定時間は安全に過ごせて、お昼まで食べさせてくれて、まぁベンキョーもしてくれる。家にいられて、あばれられて、お昼ご飯の心配するよりずっといいし、お金かけて別の習い事されるようも経済的(笑)。
 まぁ調査結果を発表した企業は学習教材を拡販したいのですから、とにかく親の意識が学校に、勉強に、と向いてくれた方がいい。なんだかその企業が自分に都合のよい結果が出るような「調べ方」でもしたんじゃないかと疑いたくもります(笑)。