イングランドvsイタリア

 イングランド、PKで敗れました。

 後半20分にすでに足がつっていたジェラード、延長戦まで戦い抜いた末にPK戦の第一キッカーとしてズバリと決めたところ、さすがです。しかし、普段のプレーからも少し気弱のところが垣間見えるアシュリー・ヤングを、ホジソン監督はなぜキッカーに選んだのでしょうね....。PK戦は技術よりも度胸ですからね。テリーあたりに蹴らしておいた方がよかったかもしれませんが....。
 イタリアの攻勢は明らかでしたが、イングランドの統制の取れた守備意識も見事でした。特に私が注目したのは、ディフェンスの時の追い込み方。
 日本の常識では、ディフェンスでは相手をタッチライン側(ビッチの外側)に向けて押し出すように位置取りしますが、イングランドは逆。相手をタテ、あるいは外には行かせないようにしておき、相手がビッチ内側に入ってくるように仕向けます。
 ビッチ中央は相手にとってシュートが打ちやすく危険に思うのですが、中央に進出してきた相手が突破のプレーやシュートをしようとすると、「待ってました」とばかりにグッと体を寄せてくる。つまり、大体シュートをしかけてくる場所は決まっているのだから、敢えてそのあたりに絞って誘い込み、そこに厚い壁を築いてはね返す、ということなのでしょう。
 相手選手のシュートがイングランド選手の体に当たって跳ね返る、という場面、イタリア戦のみならず、フランス戦でも多かったですよね。イングランドサイドに立って言うなら、「防御柵ができた上で打たせている」ということになるのでしょう。
 バスの魔術師・ビルロもさすがにイングランドの堅守に手を焼いていましたが、それにしてもPK戦でのフワフワキック、見事でしたね。イングランドを熟知しているバロテッリ、期待をかけられましたが、マッチアップして守るレスコットもGKハートもマン-Cのチームメイト、得意の左から切れ込んで打つ右足のシュートは完全に封印されてしまいました。
 これで準決勝はドイツvsイタリア。私たちオールドファンはすぐに70年メキシコW杯準決勝を思い出します。イタリアリードで終了間際にドイツ同点、延長戦でドイツ、イタリア、イタリア、ドイツと3-3の熱戦になり、最後は111分にリベラが決めて4-3でイタリアが勝利、という試合。でも今度はドイツが勝ちそうですね。