スペイン優勝


 スペイン優勝しました。当初は連覇は難しいと思っていましたが、見事です。
 スペイン連覇の最大の要因は、何と言っても筆頭の刺客となるべきだったドイツのつまづきでしょう。誰もが勝つと予想した準決勝でイタリアに敗れてしまいました。
 ドイツのイタリア戦の2失点、いずれも「圧倒的に攻めている」チームがよく陥りがちな守備の「甘さ」からでした。2失点とも攻撃でイタリアを圧倒しまくった後の守備にドイツらしからぬ「手抜き」がありました。1失点目は左サイドにでキープする相手に3人が行ってしまい、そのために3人それぞれが「他人任せ」の守備をしてしまいました。3人ががりで行ったのにきっちり守れずにクロスを挙げられてしまえば、中央は手薄になって当たり前。2点目も危険な場所に陣取るバロテッリに、まるで素人の守備のようにまったくマークができていない状態をつくってしましました。
 繰り返しますが、このように攻めに攻めていて「あとは入れるだけ」という状況で、思い出したようにやってくる守備の場面では、えてして隙がでるもの。しかし、そこでそうした隙を見せないのが本来のドイツだったはずなのですが....。エジル、ボアテンク、ゴメス、ボドルスキーといった、ルーツにドイツ以外の血が流れている選手が多くなったからでしようかね...。
 イタリアには失礼ですが、今回、スペインに挑戦する自力は本来なかったと思います。ドイツ戦のゴールでバロテッリが騒がれましたが、決勝戦はまったく何もできませんでした。一時的に爆発しても、苦しい状況でコンスタントに力を出す実力はないということ。その気まぐれに託しているようではNO1は無理です。
 それにしてもスペイン、ここというタイミングで勝負をしかける戦術眼と、それを具現できる技術は見事。ただ単にボールをこねる近視眼的な「巧さ」ではなくて、TPOに応じたボールタッチの使い分けが素晴らしい。決勝の2点目のスルーバスのタイミング、コース、スピード、そしてそれ受ける側のファーストタッチ.....あの場面には参考にすべきものが山盛りでした。