決定力

 24日(土)の解説担当はアーセナルvsボルトン。ここまで不調のどん底にあったアーセナルでしたが3-0で快勝。ようやく明るい陽ざしが見えました。エースのファンペルシーが2得点、やはりゴールに一番近い場所にいる人、決めるべき人が決めればチームは勝つものですね。

 1点目は反転しつつ、半ば強引に放ったシュートがGKとニアポストの僅かな間を突き抜けたもの。ファンペルシーの強い得点への意欲と、正確なインバクトと、強靱なキック力があってこその得点。こういう時のためにキックやシュートの練習、あるいは筋力トレーニングを積み重ねるものなのです。この一瞬のために。
 さて、我が港北FCはアーセナルと違って、どん底から這い上がるどころか、さらに深みにはまってしまいました。試合展開だけは、それこそアーセナル並み。長短のバスで巧みに攻略し、前半だけでも相手DFの真ん中を見事に割ってGKと1対1になる決定的場面が3回。しかし入らない。なぜでしょう?????。
 相手の攻撃は十分に研究済み。それに対する守備のシフトもまずまずの流れ。ロングバス1本を狙ってくる攻撃を、こちらは押し上げたラインでコントロールし、完全にゲームを支配した....と感じさせる流れ。
 しかし.....。前半22分、相手が初めて(20分以上たってはじめてですよ!!!)こちらのラインコントロールをかいくぐり、ゴール前へ。シンプルなプレーからのシンプルなシュートがあっさり決まってしまいます。ワンアタック・ワンゴール。効率100%。
 でも大丈夫、絶対に逆転できる...と選手は感じていたでしょうね。実際、それほどのゲーム支配率でしたから。まずは前半のうちに同点に!と責め立てる中、ゴールに迫るプレーは幾度となくあるものの、とにかくシュートが決まらない。そして前半終了間際の43分、相手の二度目の攻撃。再びあっさりと失点。ツーアタック・ツーゴール。またまた効率100%。
 こうして後半も同じパターンの繰り返し。至近距離からボストに当てたシュート、前半同様に中央を見事に突破しながら決め切れなかったシュート、完全に相手DFを翻弄しているのに慌ててミスしたシュートなどなど。その間、相手チームはじっと体を張って耐え、こちらの拙攻から得たチャンスの攻撃をものの見事に結実させます。とにかく、一度攻撃すれば必ず1点取るという様相。それはそれは、敵ながらあっぱれな決定力の高さでした。
 実際に記録は取ってはいませんが、放ったシュート数と得点数から換算する決定率は、こちらは多分5%くらい。20本以上打って1点しか取れなかったのですから。相手は90%台だったと思います(誇張は抜きで、本当に!!!)。シュートしてもほとんど外してしまうチームと、シュートすればほとんど決めるチームとでは、同じ数のチャンスをつくっても結果は正反対になります。
 結局、一昨年、プロ化を狙うSC相模原に大敗して以来の大量失点を喫しました。スコアは1-6。普通、これほどの大差をつけられると「手も足も出ない」という圧倒された感想を抱くはず。しかし、選手にはそれがまったくないと思います。得点場面以外の個々のプレーでは、何も後手を踏んだ実感はなかったはずですから。

 しか~~~~~し。それは醜い言い訳。サツカーは攻守両面でゴール前のプレーこそ命なのです。どんなに戦術的に見事なまとまりるを見せても。それが得点に結びつかなければダメ。失点を防がねばダメ。「こっちの方がいいサッカーしていた」なんて解説が通じるのは育成年代までで、大人は結果が勝負。
 それにしても、相当の攻勢を取っていながら結果、敗戦というパターンばかり何かの一つ覚えの覚えのように繰り返すのは、いい加減、やめにしなければ。