心理の影響

 先週末のプレミアリーグ解説担当はトットナムホットスパー(スパース)vsリバプール。好ゲームが期待されましたが、結果は4-0とスパーズの一方的な勝利。
 もちろん、スパーズのプレーは勝利に値する素晴らしいものでした。特に移籍で獲得したアデバイヨルとパーカーの働きは良かった。パーカーと絶妙のバランスを保ったモドリッチも良かった。サイドを再三攻略したベイルも良かった。
 その一方で、立ち上がりからペースをつかめないまま先取点を許したリバプールの崩れ方にはがっかりしました。我慢して好機を待つべきでしたが、28分にアダムが退場した後は、見るも無惨な状態。アダムは怪我で戦列を離れている大黒柱ジェラードの代役として大きな期待をかけられ、ここまでそこそこ良い仕事をしていましたが、大敗の墓穴を掘った形になりました。

ジェラードが復帰した後にポジションが確約されていないという焦りもあったのでしょう。もちろん、劣勢を立て直さねばという意気込みもあったのでしょう。しかし、劣勢の中、そこで退場してしまえば全てが台無し。それも微妙な判定ではなく、即座に覚悟してピッチを去るほどの確信犯的なファウル。もう少し状況を考えてプレーしてほしかった。
 リバプールは10人になった後も何とか粘り強く凌いで0-1の状態を続けていましたが、63分に今度はシュクルテルが退場。再三、好機を作っていたスパーズのベイルを蹴ってしましました。9人になってしまえばトップレベルではもうサッカーの試合になりません。直後の66分、68分に追加点を取られ、終盤にさらに1点を加えられて崩壊してしまいました。
 リバプールの戦力が0-4のスコアに相応しいとは思いません。しかし、7分に先制点を取られるまでまったくペースをつかめなかったこと、また、その混乱が収まらない中でアダムが退場し、混乱に拍車がかかったことが全てだったという感想です。心理的な側面が非常に大きく影響したという印象です。
 我がクラブの下部組織の中学生の試合の報告がありました。先制点を取り、丁々発止の試合展開で3-3のまま終盤に。残り十数分で今度はリード許す展開になってから、驚くほど大きく崩れてしまい敗戦したとのこと。これも心理的な部分が大きいでしょう。