知恵を働かそう

 地震以来、夜間の学校の施設(グラウンド、体育館)開放について中止が続いていましたが、5日から「体育館のみOK」という通達が出ました。グラウンド使用は依然ダメです。
 もちろん、体育館の消費電力がグラウンドより少ないから、という理由は容易に想像できます。しかし、節電の意識とはスポーツをしている2時間の間だけではなく、終日を通して考えるべきもの。体育館の使用自体の電力消費は少なくても、利用者は行き来に電車、バス、自家用車を利用するわけですし、水分補給に水を購入するかもしれない。だからスポーツのプレー中の点灯電力のみに注目して差別するのはナンセンス.....と通達元の横浜市教育委員会箴言したところ、答えに窮した担当者は「そういう考え方もありますね」
 どこもかしこも、根拠の薄い漠然とした「ムード」で物事を決めています。「例えば消費電力のワット数を計算し、東電の発表する消費電力需給と見合わせて、客観的な基準をつくってはどうですか...」といっても「そうですね~」とナマ返事。「例えばグラウンドについては消費電力が大きいので各回1時間のみに限定、とか、週に3日のみ許可、とか、柔軟な対応はできないですか....」といっても、お決まりの「検討しておきます」
 前回も書きましたが、「いろいろと可能性を考えてみる」ということが本当にできない人々ばかり。ヒトのアタマはそういう時に使うためにあるのに。大切なことは、思考停止をして「右へならえ」をして一安心するのではなく、一つ一つの事案に関して自分の頭でしっかり考えること。視点を据えるべき先は、自分の横にいる人たちの動きではなく、東北の人たちの復興です。
 声高に自粛、自粛と叫んでいながら、別のところで随分とムダなエネルギー消費をしている人、いっぱいいるでしょう。ナイター使用のアマチュアスポーツはダメと決めたお役人さん、帰りにで伊勢佐木町で一杯飲んでいるんじゃないですか? 酔っぱらってタクシー使いませんでしたか? 家でもシャワーを出しっぱなしでシャンプーしてるんじゃないですか?
 いつも支払っているナイター料金は2時間2.000円。しかし、その2.000円分の電気料金をセーブすめためにグラウンド利用を中止されると、代わりに私たちは半分の1時間で13.000円もする民間施設を借りて利用しなければなりません。そこに行くために、メンバーも余計にガソリン代を使います。
 クラブの活動そのものを中止にしてしまえば、という考え方もあるかもしれません。そうなれば、コンディション維持のためにメンバーの何人かは民間フィットネスクラブのレーニング施設を利用したりするなどして、結局は同じかそれ以上の電力消費をすることになってしまうのです。
 何でも停止、休止をすれば東北の人々の役に立つというものでもありません。あまり意味のない停止、休止をしても、決して東北の人たちは喜びません。もう少しマクロな視点でとらえ、何が必要で何がムダか、知恵を働かせてほしいものです。