W杯-7

 イングランドが苦しんだ末にスロベニアに勝ち、決勝トーナメント進出を決めました。スコアは1-0でしたが、絶対に入っていたでしょう!!!というシュートがジェラードに1本、ルーニーに1本、デフォーに1本。それにCKに合わせたテリーのヘディング。そのどれかが入っていれば、決勝トーナメントの組み合わせが違っていたのに---。

 アメリカが1-0でアルジェリアに勝ったために、イングランドは同勝ち点、同得失点差ながら得点数の差でアメリカに次いで2位になり、決勝トーナメントではアルゼンチンのいるブロックに入ってしまいました。イングランドvsアルゼンチンといえば、そう、あの86年大会の「神の手ゴール」「5人抜き」があった試合。しかも今回のアルゼンチンの監督はその当事者のマラドーナイングランドはリベンジといきたいところですが、今回のアルゼンチンの絶好調ぶりを見ると、かなり難しいな、という感じです。

 ところで、イングランドスロベニアの反撃を受けた終盤、決定的なピンチにセンターバックジョン・テリーが見せた「ヘッドのスライディング」は凄かったですね。一度タックルして体が完全に倒れている状態で相手がリバウンドをシュートしようとした時、体を起こして足を出す時間がなかったテリーは、何とシュートコースに頭から飛び込んだのです!!! 幸いシュートはテリーの頭に当たらず、カバーに入ったジョンソンの足に当たって弾き返されましたが、必至の形相でシュートコースに首を伸ばすテリーの勇気、責任感には敬服しました。

 フランス、みっともなかったですね。世界に恥をさらしてしまいました。あれだけの一流選手がいながら、監督も、選手も、協会も「まとめる」という概念が乏しい。それぞれの立場を強く主張するばかりで、誰も俯瞰した立場に立てていない。インタビューに答えたパリのご婦人が「選手は高給をもらって子どものように振る舞っている」と醒めたコメントをしていたことが印象的でした。大恥さらしの極めつけは、試合終了後に勝者の南アフリカパレイラ監督が求めた握手を拒否したドメネク監督。不協和音をつくって、成績もさんざんで、マナーも最低。救いようがない人です。

 イタリアも苦しんでいます。イタリアのグルーブFは、日本が決勝トーナメントに進めば当たる組ですが、今のところ、同じグルーブのバラグァイの方がずっと怖い。守備の堅さは半端ではない。日本がパラグァイと当たったら、まったく攻められないのではないかと思うくらいの厳しいディフェンスをします。なので、日本が2位通過としたら、対戦するF組の1位は、以外につまらないミスが多く、ゴール前のバタバタ感が強いイタリアの方がチャンスがあるという印象を持ちます。

 韓国の決勝トーナメント進出、よかったですね。ナイジェリアのドリブルに二人が振り切られ、クロスボールにDFの後ろから割り込まれてゴールを許すという、まさに身体能力の差を見せつけられての失点からはじまった試合でした。その後も危ない場面が何度も続き、相手のエース、ヤクブが無人のゴールに向けて蹴ったボールが外れるなどの幸運もありましたが、攻守両面で臆せずに渡り合った韓国の選手たちの闘いぶりは見事でした。日本も負けてはいられません。