規定に忠実!?

 相模原で起きた狂気の犯行の容疑者の取り調べが続いています。彼が以前、精神疾患の状況を確認するために入院した際、大麻の反応が出たとのこと。しかし、現在の法律では大麻の「所持」は犯行になっても「使用」には法的拘束力がないため、相模原市はその件を明らかにしなかったとのことでした。
 彼の狂気の行動と大麻との関係は明らかではありません。しかし、入院までさせて様子を観察しなければならない人物から大麻の反応が出た場合、法的拘束力は別としても「念のため」としてその情報を関係する機関で共有しておくことは無駄ではないでしょう。しかし、法律、規則、規定、という部分から見れば、それをしなかったことに対して相模原市関係者の誰かが責任を負うことはありません。
 このニュースを聞いて、私は少し前になりますが、同じ相模原の市営グラウンドを使ってサッカーの試合をした時のことを思い出しました。
 グラウンドは2時間単位での貸し出しです。公式戦の90分ゲームをその2時間枠内でこなすには、試合前のライン引きや負傷等で費やすアディショナルタイムを考えると、相当、効率よく動かねばなりません。相手チーム、審判団と事前に細かな段取りをつけて待機していたのですが、一つ前の時間枠のグラウンドには、いつまでたっても利用者が来ません。
 1時間が過ぎても前の時間枠の利用者とおぼしき人は一人も現れません。どうやら利用はキャンセルされたようです。そこで窓口の職員に問い合わせてみました。
 「前の枠の方がキャンセルされたようですが...」
 「いや、そうした連絡はいただいておりません」
 「しかし実際、誰もこられないようなので、時間前に準備を始めてもいいでしょうか?ラインだけでも引いておきたいのですが...」
 「ダメです」
 「なぜですか?」
 「遅れて来て使う可能性が残されていますから』
 「いや、もう1時間も超過しているのに、ただの一人も来ていないのですよ。サッカーか野球かわかりませんが、仮にこれから来たとしても、実質的に何もできないでしょう?」
 「それはアナタの考え方です。どう使うかは利用権のある方の勝手です』
 「ナルホドね。解りました。では、終了30分前になったらどうですか? あるいは15分前でもいい。ライン引きだけやっておきたいのです。プレーするのはきっちり利用時間になってからでいんです」
 「ダメです。サッカーのラインを引いたら、もし前の枠の利用者が来て野球をする場合、即刻ラインを消さばならないでしょう」
 「いやいや、利用時間の終了15分前にきて、それからライン引いて野球やりますかねフツー?」
 「やる可能性はゼロと断言できません。使い方は利用者の自由です」
 あ~あ、「役所」とよばれるところにゴロゴろいる典型的なコームインだな...。マニュアルを連呼するマクドナルドの高校生アルバイトと一緒(笑)。では違う切り口から攻めてみよう。
 「こうしてアナタと話している間に利用枠は残り45分になっています。恐縮ですが、この枠の利用者の方が本当にグラウンドを使う気があるの否か、連絡を取って確認して下さいませんか?」
 「そういう業務は行っておりません」
 「ハァそですか。では確認は私が直接とります。その方の連絡先を教えて下さい』
 「個人情報保護があるので教えられません』
 ...というわけで、私たちのチームと対戦相手、審判団は、誰ぁ~れも来ないグラウンドを前にじっと辛抱強く待ち続け、きっちり利用時間になってから入場し、慌ただしくラインを引いて試合開始、なんとかギリギリに利用枠内で試合をこなすことができたのでした。
 この相模原市の体質、変わっていないのだなぁ~。