ドイツ、お見事!!!

 ドイツの勝利は予想通り。セットプレーによる先制点も予想通り。全部このブログに書いておけばよかったのですが、周囲の人々にずっと「ブラジルはドイツにやられるよ。セットプレーで決まるよ」と言い続けてきたので、何だか書いた気になってしまっていたのですが、書いてなかったですね(笑)。「結果がわかってから後で言ってる」と非難されるのを覚悟で書きますが....予想通りの結果です。しかし!!!こんなに点差がつくとは思いませんでした。
 ドイツは何も特別なことはしていません。ビンチで余裕がない時は思い切り蹴り出すし、余裕があればきちんとつなぐ。パスをしたら基本通り次のスペースに動き、その動きで空いたスペースにまた次の選手が動いてくる。ドリブルとバスを状況に応じて適宜、使い分ける。パスは相手が厳しく詰めてくればワンタッチで離し、必用な時はキープしてタメをつくり、的確なタイミングでつなぐ。シュートチャンスには誰もがきっちりシュートして、キックは正確に枠を捉える。ボールを失ったら近い選手からしっかりプレスをかけて、他の選手はしかるべきポジション速やかに戻る。再びボールを奪い返したら、休まずDFラインを押し上げて次の攻防に備える。こういう基本的なことを誰もサボらずに90分真面目にやり続ける。
 ボールのある局面で個々の選手同士のガツンという競り合いがあったときに、ブラジルの選手は小ずるく倒れてファウルを請うことしかできませんでした。しかしドイツの選手は、まず自分の体でがっちり受け止める強さがありました。そして、これはとても大切なことですが、必ず周囲の選手が的確な動きでフォローし、いくつかのパスコースを確保してくれるから、ボールを保持する選手は個人で頑張る突破もできれば、パスを回して切り抜けることもできる。
 ブラジル...気持ちが入らざるを得ない状況であることはわかりますが...。それが墓穴を掘る最大の要因になりましたね。CKから先制点を取られたシーン、マン・マークに意識が行きすぎて、するりと回り込んだミュラーを見失っています。マークに引っ張られてゴール前の大事なスペースを空けてしまうという初歩的なミス。
 ブラジルは主力が抜けて現実的には難しい試合なるのだから、手堅くしぶとい試合に持ちこむことが必用だったのに...。試合開始直後の約3分間、せき立てられるようにブラジルが攻勢をかけました。これで「行ける」という気持ちになってしまったのでしょうか。そこをドイツに落ち着いてしのがれた後に早々と失点してしまいました。気持ちが入れ込み過ぎているから、想定外の早い失点に完全に心理的に崩壊してしまいました。
 試合前の会見で「特別なこと、いつもと違うことはしないことだ」と試合のポイントを語っていたレーヴ監督。ドイツはその通り、特別な気持ちの入れ込みもなく、落ち着いていつも通りの試合運びをしたことで、本人たちも予想外の圧勝となりました。
 特別に難しいことをしているわけではなく、古来サッカー界で言い続けられている基本的なことを真面目にきちんとやり抜くこと....。このドイツの姿勢は、日本のサッカー界も大いに見習うべきではないでしょうか?