ひどいアウェイでしたが...

 北朝鮮戦、やられました。
 異様な雰囲気でしたね、金日成スタジアム。動員をかけられた観客がどういう階層の人かは知るよしもありませんが、相当時間をかけて練習しなければできない万人単位のマスケームが見事に決まっていて、国家体制の指令の威力をまざまざと見せつけられました。
 北朝鮮の選手たちもバケツ一杯の興奮剤を飲んだのではないか(笑)と思えるほどのファイト。カラダ目がけてぶつかる、蹴る、はね飛ばす,,,!!!。ボールボーイも日本のスローインの時には選手にボールを渡さず、自分の足元に転がして取りに来させて知らん顔。入国審査に4時間かけたイヤガラセも含めて、フェアプレイの精神からしていかがなものか、と言いたくもなりましたが、つまりあちらはそこまでしなければ日本には勝てない、ということですな。
 さて日本代表、まったくサッカーになっていませんでしたね。もちろん、異常な環境という要素もありますが、自分たち自身の問題もありますよ。
 相手がカラダ目がけて当たってくるのに、いつでもどこでもギリギリのタイミングで細かいバスをつなごうとする。1本目、2本目はいいのだけれど、3本目、4本目となると、つないでいるエリアが狭いから、猛突進してくる相手に結局ひっかかってしまう。挙げ句の果てに突進に当たられて倒れる。こんなことの繰り返し。もっとタマ離れを早くして、広く展開すれいいいのに。
 相手がどういう出方でも、勝っていて負けていても、同じようなゲームの進め方しかできない。得意の形にはまっているときには強いのだけれど、すこし得意の形からズレてくると、とたんに効力が半減してしまう。
 アタッキングサードに入ってからの淡泊さは相変わらずでしたね。北朝鮮のアタッカーたちがぐいぐいとゴールを意識していたから、余計に日本選手のゴールを狙う動きの迫力のなさが引き立ちました。思い切りゴールに迫らずに、最後までコマゴマとボールを回している日本の攻めは、北朝鮮のDFにとって、あまり怖くなかったのではないでしょうか。
 とはいえ、これだけエゲツないアウェイ環境で、トラブルを起こさず、大人しく冷静に戦えたのも日本選手ゆえ。これ、ラテン系のチームだったら、多分、最後は8人か9人になってたんじゃないですか(笑)。ベンチも含めた大騒動になっていたかもしれませんよ。
 最終予選進出を決めた後でよかったですね。いろいろイヤガセラせされても「まぁいいっすよ。こっちはもう突破決まってますから」という余裕で対処できましたから。これ、この勝ち負けが次のステップに関係している試合だったら、そら恐ろしいことになっていたかもしれませんね。