世界最強

 小田急線の中。目の前の席が空いたので座ろうとした途端、斜め後ろからものすごい勢いで押しのけられました。私と、すぐ隣に立っていた男性があっけにとられるなか、人垣をかきわけかきわけ突進してきたオバサンが、私と隣の男性をぐいっとハンドオフしてどっかりと空いた席に腰を下ろします。
 唖然とする人々。しかしオバサンは座るやいなや、そうした周囲の視線を一切断つかのごとく態度でガシッ!!!!と目を閉じ寝たふり。すげー神経だ。試しにずっと見ていたら、ほとぼりの冷めた頃に薄目を開けて状況確認。私が見つめていることに気づくとふたたびガシッ!!!と閉眼。面白いのでずっと観察していると、薄目-閉眼-薄目-閉眼を繰り返しながら、とうとう新宿まで到着。すげー根性だ。
 その日の帰り、有料駐車場を出ようとゲートに近づくと、こちらを無視するように入庫してくる車。看板には大きく「出庫車優先」と書かれ、同じ言葉は丁寧に路面にも黄色で大きく書かれています。それでもその車はおかまいなしに突進してくるので、仕方なく停車し、横に寄せて進路を譲りました。すれ違いざまに見るとドライバーは.....あ~っまたもやオバサン!!。
 それでも、会釈くらいはあるだろうと見ていると「何、見てんのよ、はやくどきなさいよ」とでも言いたげな表情。若い頃の永井君なら、ブチ切れて二度とその駐車場に近づきたくないと決心するほど怖い思いをさせていたでしょうね~(笑)。
 でも今はしませんよ、そんなこと。だって恥を忘れたオバサンほど怖いものはありませんもの。全てが自分中心に動いていると信じている「世界最強の生き物」ですからオバサンは。何せ「社会のしくみ」というものを知りません。話し合っても、自分の言いたいことを何度も同じように繰り返すだけ。それで相手が絶対悪いのよ~と怒る。まともな尺度で取りかかると根負けします。
 こんなオバサンの予備軍、港北FCのママたちにはいませんか? 大丈夫ですよね。