アーセナルをマネしたつもり

 私が指揮する港北FCが神奈川県社会人選手権でベスト4に進出できました。といっても力量は明らかに相手が上。相手がここちらを甘く見て油断していたところに、私が示したゲームプランが思いの外、うまく機能しただけの話です。

 とはいえ、選手はよくやってくれました。過去に華々しい栄光などほとんどない、雑草のようなキャリアの選手ばかり。これまでのサッカー人生で県ベスト4以上の経験をしている選手などわずか。日頃の練習で地道にレベルアップしてきた結果です。決勝点を挙げたのは下部組織で少学1年生から指導してきた17歳の高校生選手。大学生、社会人相手に見事なプレーでした。こういう形で結果が出ることは嬉しい限りです。
 格上の相手にどのように闘うか。今回のゲームプランに関しては、チャンピオンズリーグで圧倒的にポゼッションされながら少ないチャンスを活かしてバルセロナを下したアーセナルの戦略が参考になりました。

アーセナルの統制の取れた見事なディフェンスとはあまりにかけ離れた稚拙極まりない守備組織ではありましたが、港北FCの守備もイメージだけはその「つもり」になっていました(爆笑)。
 さて、そのお手本のアーセナルですが、火曜日深夜(水曜日早朝)にバルセロナとのアウェイ戦を闘います。地元ロンドンで機能したコンパクトな守備はカンプ・ノウでも維持できるのでしょうか? 正直、とても苦しい試合になると思います。何せ、主力の負傷離脱があまりに多すぎる。特にロンドンで決勝ゴールを入れたファン・ペルシーの不在は痛い。
 それでも、世界一の戦力に対してアウェイでどのように立ち向かうのか、アーセナルのヴェンゲル監督の采配を楽しみにしましょう。もし、それがうまくいったのなら、永井も決勝をかけた次週の試合で「そのつもり」でマネだけはさせてもらうことにします(笑)。