そんなに、つなぐことが大切ですか...!?

 アルガルベ杯に出場していたなでしこジャパン、オランダに2-3で惜敗しました。
 相手に退場者が出たとはいえ、0-2から追いついた点については大いに評価したいと思います。しかし、アディショナルタイムに入って、終了まで1分ほど、というタイミングでの失点がいただけけない。せっかく奪ったボールをつなごうとして相手にカットされたプレーからの失点。終了1分前のアディショナルタイムにその「つなぎ」必要?。相手ゴール前にボールを集めるんじゃないの?
 この場面に象徴されるような「ええっ、そのつなぎ、そこで必要?」というプレーは、大会を通して随処にあり、見ていてイライラしました。
 決勝点を奪われる前の数分間、日本は相手陣内で何度も攻撃をしかけていました。大人と子供ほどの体格差。当然、正面からまともに当たっていったのでは簡単に潰される。それで、高倉監督も叫んでいたようにサイドから攻める。一人少ない相手は「高さ」には絶対的な自信があるから中央をかためてサイドへの展開はある程度許すので、両サイドには何度となくいいパスが配球されていました。
 しかし誰もがクロスを入れることを躊躇する。そして戻す。つなぐ。
 はい、わかりますよ。ふつうのクロスを入れれば高さでは絶対ダメなことは百も承知。だからといって、そんなにも簡単にボールを後ろに戻したり、横につないだりばかりする??? アーリーのタイミングでシュート性の強く低いクロス入れたり、もう一つワンツーを絡めてより深い位置に進入したり、なんていうアイディア全然ないわけ...?あれだけ「チャンスの芽」を用意されても、「これなら絶対大丈夫」という道が見えないと絶対に勇気ある冒険をしないのは男子代表と同じ、日本病。
 丁寧につないだら前より良いい形でチャンスを作ってくれるならいいですよ...。だけど、つないだり戻したりしているうちに、結局、追い込まれてボールを奪い返されて、逆にピンチを招いているわけですわ。一体、何のための「つなぎ」なの?相手に一息つかせてボールを奪い返すチャンスを与えるための「つなぎ」なの???それなら一か八かでポーンとゴール前に蹴った方がずっとピンチの可能性が少なくチャンスの可能性が高いじゃん!!!と言いたくなるわけです。
 「いや、そうやって簡単に蹴ってしまうと、ボールを失うから」という人、多いんだけど、つないでも、結局より良いチャンスを作れないまま最後に相手にボールを渡すんだから同じじゃん(笑)。しかもつなぎのプレーを奪われてからの方がピンチの度合いは大きい。
 前にも書いたのですが、特になでしこの場合は「えっ!ここで下げる?」というパスが異常に多い。すぐに戻してやり直そうとする。繰り返しますが、それで「ベター」なプレーが生み出されるなら批判はしません。しかし、それが逆にピンチを招いている回数があまりに多すぎる。
 GKに戻したはいいが、相手に詰められて結局キックミス...みたいな場面は日常茶飯。一試合に一度くらいはボランチのバックパスが直接、相手アタッカーに渡ってものすごいピンチになったりもする。「君はバックパス要員か!!」と怒りたくなる。(ちなみに写真の宇津木さんはそういう弱気なプレーが少なくアグレッシブな姿勢がある人で私は好きです)
 終了1分前の失点場面。GKまで交代させてPK戦狙いだった相手は、あわよくば日本の「つなぎ」をカットしてカウンターに持ち込めれば...という一縷の望みに全力をかけていたわけです。そこにまんまと引っかかるなんて、どうかしてるぜ(ブラマヨ吉田風に)。「つなぐ」以外のプレーは君たちの辞書にないのかい!!