新国立競技場900億円オーバーでゴーさせた...Who are you?

 新国立競技場、2520億円でゴーサインらしいです。驚きましたね。
 2002年W杯のころ、日本各地に造られた新しい競技場の費用が大体300億円台くらい。横浜国際競技場(日産スタジアム)だけは、遊水池に建てたことで基礎部分に費用がかかり、600億円台と突出した建設費でした。
しかし新国立競技場は当初の予算が1300億円。それだけで驚いていたのに、採用した設計の見積もりしたら何と3000億円かかると...!!!。すったもんだの挙げ句、多少の設計修正をして総工費2520億円となったようですが、当初予算からは約900億円の超過。超過分は東京都に負担させるとか、ネーミングライツで200億集めるだとか、トトの売れ上げを当てるだとか、いろいろ甘い見通しを立てていますが、900億円と言えば当初予算の約70%オーバー。70%オーバーの予算なんて、最初の予算なんかなかったに等しいですよね。予算をたてた意味がまったくないですよ。
 新国立競技場は、設計修正をしても特徴的な二本のアーチを持つ構造だけは変更されないようです。ところが、このアーチこそが、予算を増大させ、工期を遅らせる元凶のようです。しかもこのアーチ、ただの装飾で建造物の構造的な意味はないとのこと。つまり見栄え優先で競技者や観客にはメリットなし。そんなものにこだわって900億円オーバーなんて、バカバカしい限りです。
 予算内で収まるようにさっさとアーチなしの構造に設計し直す指示を出すのがデキる人のやること。しかし、関係者はあくまでもお金がかかるアーチ構造にこだわります。なんでこんなにお金と工期がかかる設計にこだわるのでしょう。
 そういえば、スポーツと言えば出てくる自民党の太めのおっちゃんがいますよね。そうそう、あの「日本は神の国」と言った人。外国からの要人にHow are youと言うべきところをWho are you と言ったという人。あの人、確かラグビー関係者でしたね。何でも母校某大ラグビー部に数ヶ月だけ在籍していたことがあるとかないとのレベルらしいのですけれど...。あの人、設計見直しの意見に対して「立派なものをつくらねば」なんて水を差すようなこと言ってましたよね。もしかしたら自分が仕切るラグビーW杯で「どうだ~」って言いたいのかな?900億円オーバーしても強行建設するのは「神の国」の威厳を示すため?
 ところで、東京都の予算のうち、福祉・医療の人材確保、子育て環境の充実、高齢者の施設・すまい対策、障害者への生活支援など「福祉先進都市の実現」という項目に割り振られているのが総額で1834億円。木造密集地域の不燃化・耐震化に用意されているのが581億円。この二つを足しても足りない建設費って、妥当なの???
 ともあれ、スポーツを良く知らない、建築も設計も良く知らない、もちろん五輪後の運営、スポーツビジネスについても良く知らない。しかし自己顕示欲と権力だけは持っている。そんな人たちに2520億円ものお金をボイポイと動かされてしまうんですね...。