未熟、涙、コドモ文化

スポーツはまた新春恒例の涙、涙、涙。
とにかく良く泣きますな、日本の学生スボーツマン諸君。
走っては泣き、倒れては泣き、蹴っては泣き、打っては泣き、タックルしては泣き。泣き、泣き、泣き。
安っぽく煽るメディア。
4年生は....(大学の場合)、あるいは3年生は....(高校生の場合)....これが最後の.....です!!!..ってセリフ一体、何十回、叫ばれましたかね?駅伝でも高校サッカーでも、まるでそこで選手の命が果てるかのような言い方をする実況アナウンサー。
 そして、お決まりの親族の誰かや友人が亡くなって天国から見ているというエビソードと遺影。あれ、局のスタッフが事前の取材で懸命に探してくるのでしょうね「あの~関係者の誰かが亡くなっている人いませんかね~」って。だって、選手の方から申告するわけないしね「あの~ウチ、5年前に親父が死んででるんですよね」などと。
 ~が果たせなかった夢を代わりに...~で味わった悔しい思いにリベンジ...なども実況でよく使われる表現。もうチョンマゲ時代劇の果たし合い、仇討ちですな。忠臣蔵ですよ。
 人生の一場面にあんなことやっているから、たかだか18歳で体はポロポロ、気持ちも燃え尽きてしまう。本来ならようやくこれから大人のアスリートとしての身の処し方を学ぶという入り口の手前で、正常なエネルギーがほとんど使い果たされてしまう。
そもそも、高校生の未熟な競技の様子をメディアが大々的に採り上げて国民が一喜一憂するなどという現象は世界広しといえども日本のみ。スポーツライターを自称する方々もスポーツそのものにはまったく音痴で、泣いた笑ったと、ありきたりの人間ドラマを採り上げることだけは熱心。いつまでたってもホンモノを見極める目が養われないはずですね。
そういえば、音楽でも同じ。素人の女の子ワサワサ並べて学芸会みたいなことやって...「フザケルな、プロとしてもっとまともな芸を出せ」と言う人は少なく、「カワイイ~」ってニヤけてビジネスが成立しちゃう。ああ、そういえばこっちも「泣き」は欠かせないアイテムでしたね。投票で何位だったとか、卒業するだの何だのって、何かにつけてメソメソやっている。
あ~あ、コドモ文化のクニなんですね。ニホンは。