どちらがいいのか.....

 秋、サッカーシーズン真っ盛り。私が指導する子どもたちのチームも各大会に参加しています。そこでいつも考えさせられる事。
 市のリーグは膨大な数のチームが参加するため、春の試合の成績をもとに1部、2部にわけて進行します。もちろん、春で好成績を挙げて秋では1部でプレーする、ということが子どもたちにとって望ましいことなのですが....そうでもない事情があります。

 というのも、好成績を挙げて1部でもさらに上位を狙うようなチームは、いうまでもなく「試合巧者」なのですが、その「巧者」ぶりが目に余るというか、子どものプレーとして許容されるものか、と思わせられるものが多いのです。
 競り合いでシャツを引っ張るなどは序の口、時には肘打ちも飛んできます。審判技術が未熟なことを見越してコーキックの時にGKの前に立ちはだかってプレーを妨害するなどは当たり前、高学年では勝っている時に靴紐を結び直すなどあざとく時間稼ぎをすることも珍しくありません。
 そうしたプレー中の事象のみならず、限られたウォーミングアップのスペースを独占して使うとか、自分たちに有利な待機場所を確保して譲らないとか、ビッチ外でのあれこれでも「少しでも自分だけは有利に」ということを、あからさまに実践します。「勝負はビッチの中だけではない」とでも言うように...。
 そんな状況ですから、1部でプレーすることになると、強い相手としのぎを削る喜びもあるのですが、一方で「子どものチームを強くするとはこういうことなのか」とがっかりすることも多いのです。そんなギスギスした雰囲気で勝った負けたとコーチも父兄ものめり込んでいるような異様な空間で試合するくらいなら、2部でもう少し子どもらしく穏やかに楽しみましょうよ、という気分になるのです。
 しかし....最近は大会の成績でしかクラブの内容を判断しない親子が多いので、新規入部者を減らさないためには適度に勝っておかねば評判にもかかわりますし...(笑)。幸い、入部者は少子化の昨今でも減ることはなく、微増している状況です。私たちの方針や考え方に賛同してくれる親子も確実にいると信じています。
    (写真の子どもたちは、ここで指摘したこととはまったく無関係です)