拙著の重版と区大会

 先日、拙著「賢いスポーツ少年を育てる」が重版されたことをお知らせしました。光栄なことに「少年スポーツ、ダメな指導者バカな親」も重版が決まったとの連絡を受けました。こちらは第7版になるそうです。お読みいただいた方、本当なありがとうございます。

 さて、「ダメな....」では実話エピソートを中心に少年スポーツを巡る問題点を指摘し、その改善を呼びかけているのですが、残念ながら本が7判を重ねても事態はあまり好転していませんね....。
 先日、3年生のチビッ子たちを率いて地元の区大会に参加しました。カテゴリーは2学年区切りで3・4年の部ですから、我がかわいいおチビちゃんたちは時に1年上の4年生とも戦いました。4年生に手ひどくやられた試合もありましたが、2勝を挙げる健闘でした。
 大きな体の4年生に吹っ飛ばされながらも、時には痛さに涙を流しながらも(可愛い!)頑張った3年生たちには感激しましたが、一方で、会場では何度も????という場面に遭遇しました。
 実力が劣る相手に対して「~点取ることがノルマ」とコーチがハッパを掛け、圧倒して得点をとるごとに「あと~点」と叫んでるチーム。得点されてうなだれながらボールをセンタースボットにセットしようとする相手の腕の中からボールをたたき落として奪い取り、「遅いぞ!早くキックオフしろ」とばかりに自らボールを置きにいく、大量リードしているチームの子ども。見ていて気分が悪くなりました。
 狭い校庭なので、気をつけて練習しないとボールが試合中のピッチに転がり込んでしまうのに、意に介せず広いグラウンドで行うような練習をさせ(どこのチームもそうしたいが我慢している)、2度も試合中のピッチにボールを侵入させてプレーを妨害して平気な顔をしている指導者。自分のチームさえ勝てる準備ができればいいという態度。
 「おメェ、負けたら明日、学校にいけねぇぞ」と口汚くヤジる母親(!!!!!)。あのように四六時中、叱られ、罵倒されていると、もう、ののしり言葉にも免疫ができるのでしょうね(笑)。
 怖いのは、これらの事象が「許されること」として子どもの心に刻まれてしまうことです。自分たちが勝ち点を上積みするためなら、どんな態度、マナーでもいい。そこではやるべきでない練習でもやった者勝ち、だめなときは謝っておけばいい。失敗したら口汚くののしって当たり前。
 要は勝って一つでも上に行けば結果オーライ、という環境を、本来なら是正すべき大人が進んで許容しているようでは....。