アウェイの試合

 日本代表、W杯予選のアウェイ連戦が始まります。
 思い起こせば、ホームのタジキスタン戦はハーフナーを使って「上から攻める」という戦法が功を奏して圧勝でした。

 相手が引いて守りを固めてくることは火を見るより明らか。監督も選手も「守り」を公言してはばからなかった相手。それをどうやって崩して点を取るかという課題。もちろん、ハーフナーの「高さ」を活用することなど、「オレでも思いついたさ」と言う人は多いでしょうが、なかなか実行はできないもの。
 なぜなら、クロスを上げて「高さ」で点をもぎ取るなどという手法は、古典的であり、短絡的であり、創造性に欠けて、日本サッカーの将来につながるような方法とは言えない、と批評する人もいるから。仮に勝ったとしても「果たしてそんな勝ち方でいいの???」などという批判が出てくることも考えられました。
 あくまでも「日本らしく」勝たねば、という無言の圧力に押されて、日本の目指すスタイルとやらにとらわれすぎ、バスをつなぎすぎては分厚い守備にはね返される、という試合展開になりがちだったところ。そこを何の迷いもなく「下がダメなら上からいくさ」と決断したあたり、外国人監督の現実主義は単純明快でした。
 タジキスタン、ホームではどう戦ってくるのでしょうね。油断は大敵ですよ。思い起こせば97年のフランスW杯予選。ホームで6-3と圧勝したウズベキスタンにアウェイでは敗戦寸前で追いついて1-1、最終戦で5-1で突き放したカザフスタンにもアウェイで1-1の引き分けでした(この試合で加茂監督が更迭されました)。~スタンの国は、ホームになると、とたんに強くなりますからね(笑)。

 それと北朝鮮。練習会場の急な変更とか、ホテルで使えるはずの部屋が突然使えなくなるとか、会場に運ぶバスが遅れるとか、アクシデントを装った工作には十分注意が必要です。でも代表スタッフもその当たりは百戦錬磨、バックアップ処置を何重にも考えてあるはずです。
 アウェイには、「絶対に何かあるはず」と覚悟して行くべき。快適に順調に予定通り気持ちよく試合が出来たら、それは「幸運」と思うくらいの覚悟が必要。