困ったものだ

 某会議の後で立ち寄ったファミレス。既に時間は夜の9時過ぎ。ほどなく隣の席に来たのは子ども連れの母親。「ねえ、パパ来るの?」「ぼく、お子ちゃまジューシュ」と言いながら座る4~5歳の子ども。あれ、ウチの子は小学生になっても8時に寝ていたけれど、今時の子は9時過ぎても出歩くのだ....と思いつつ自分のメニューをオーダー。
 ほどなく父親とおぼしき人物が登場。「パパ~」と喜ぶ子ども。ほほえましい風景。そこまではよかった。その後、すぐに子どもは持参したゲーム機に熱中。ゲームの機械音とBGMがあたりかまわず響き渡ります。夜の静かなファミレスに場違いな電子音。しかし、両親はとがめることなく大人の話に熱中。子どもはせっかく帰ってきたパパと会話することなくソファにごろ寝状態でゲームばかり。
 その両親の「大人の話」が聞こえてきます。母親が今日あった出来事を夫に報告しているようでした。「(車の)マフラーのネジが緩んでるって、わかっているだろって、のに。オマエ、バカじゃねーのって、言ってやろうとおもったんだけどさ」「違うんだよって、てめぇよく考えろっていうことじゃん、それって」「ほんと、しょーがねーよあいつ、使えねぇ」
 いわゆるヤンママではありません。ごく普通のどこにでもいる主婦。夫もネクタイを締めてきたんとした身なり。それが子どもの横でこういうレベルの言葉遣い。子どもはゴロゴロ寝ころびながら大音響でゲームに熱中。多分、同じような光景が毎日、自宅でも繰り返されているのでしょう。コミュニケーション力の低下とは、こんなところから始まっているのだと実感しました。
 もしもし、ママのお言葉使いが過ぎますよ。子どもの前ですから。それに、せっかく家族3人が揃ったのだから、もう少し3人で会話したらどうですか。パパさん、息子の幼稚園の先生の名前、知ってますか。仲の良いお友達の名前、男女5人以上、言えますか。今日、息子にどんなことがあったのか聞きましたか。本来なら寝ているべき時間に電子音や刺激的な画面を見せると交感神経が興奮して体調が崩れますよ。「ゲームは止めなさい」といって、姿勢を正させ、今日、誰とどんな遊びをしたのか聞きましょうよ。自分の体験を振り返って体系的にまとめ、相手にわかるように語る作業は、知的発達に欠かせないですよ。本当はゲームより、自分のしたことをパパに聞いてもらうことの方が子どもにとって楽しいはずですよ。それであなたも息子の成長も把握できるでしょう....。
 いやはや、もう隠居じじいの境地ですな。今、港北FCで指導させていただいている小学1,2年生のパパ、ママたち。ゆめゆめ、お宅ではこんなことがないように!!!。