次期代表監督

 W杯終了後、ひどく間の抜けた更新ペースになってしまい、反省しています。W 杯後、サッカー本の執筆が佳境に入り、原稿をまとめる毎日で、忙しさにかまけてしまいました。
 そのサッカー本は今、最終チェックの段階ですので、発刊は秋になりそうです。日本代表の次期監督が決定したら、その部分を採り上げて原稿を締めくくろうと思っていたのですが、ご存じの通り、監督選びが難航しているために、書き終えずにいます。
 W杯で日本代表は、それまで練習してきたスタイル、日本人が得意だと信じられているスタイルを捨てて、堅守速攻でベスト16を獲得しました。思わぬ方法で結果が出たことで、この先、代表チームにどのようなスタイルが求められていくのか、大変、興味があります。その意味で、代表監督が誰になってどのようなチームづくりをするのかは、とても興味があります。
 しかし、代表チームの決定力不足と同様、協会の交渉役も決定力不足ですね。極東の地に長期滞在することがネックになっているとか、年俸額がネックになっているとか、いろいろと「言い訳」は聞こえてきます。しかし、要は「身の程知らず」の設定をしている、ということに尽きるでしょう。ベスト16にやっと入れるような国の代表監督など、いわゆる大物は引き受けるわけはないのです。
 それに、交渉役はスペイン人監督にこだわってる節もありますが、ナンセンスですね。日本人なら、みなカラテとジュードーが得意なはず、黒人なら、みな歌とダンスが上手いはず、ブラジル人なら、みな陽気なはず、大阪出身なら、みなギャグのセンスが高いはず、という思いこみと同じ。スペイン人監督なら攻撃的で「美しい」サッカーを伝授してくれるはず、という保障はありません。監督采配は、あくまで、それを具現できる選手あってのこと、という現実ををは忘れてはいけません。ベスト16のチーム中、日本はボールポゼッッション率が最低だったのです。
 大体、南アフリカでは守備的な試合をせざるを得なかったので、次はぜひ、攻撃的なサッカーを、という根拠のない期待感が高まっていますが、いかがなものでしょう。南アフリカW杯を検証した結果、次回W杯で日本代表が華麗にパスをつなぎ、相手を巧みに翻弄する攻撃的サッカーでベスト8に進める可能性が導かれるでしょうか。
 日本代表の採用されるべきプレースタイルに関しても、代表監督に望むことも、ほんとうに勘違いが甚だしいのではないかと感じています。闘莉王が言うように、日本はまだまだ「弱い」のです。日本はベスト16に進みましたが、それ以下の成績で終わった中には、フランス、イタリア、ナイジェリア、コートジボアールセルビア、スイスなどが含まれます。同じベスト16で敗退した国々にはボルトガル、イングランドアメリカ、メキシコ、チリ、などが揃います。こうした国々を攻撃的サッカーで蹴散らしてベスト8に進め可能性がどれだけあるのか、冷静に考えた方がいいでしょう。