宇宙戦争

 大きな地震が起き、社会が混乱しています。昨日は原発の事故も起き、被爆の恐怖も持ち上がりました。こうした状況では、流言・飛語が不要な不安を煽り、私たちの的確な行動を狂わせるので注意が必要です。特に現代ではネット情報を通じて根拠のない「うわさ」が瞬く間に広がりますから、情報の把握には慎重になってください。特にお子様を持つご両親は、我が子の安全を思う余り、こうした情報に踊らされて混乱してしまうことも少なくありません。注意しましょう。
 まず情報は、単一の情報源からではなく、かならず複数のところから入手しましょう。仮に信頼できるTV局、ラジオ局であったとしても、複数のチャンネルから確認しましょう。また、こうした巨大メディアの発信する情報の多くは、もとをただせば政府発表など同一の発信源から提供されていることがほとんどです。ですから、それを局ごとに解説する「有識者」がどのような見解を持って読み解いているか、というところまで追いかけてみましょう。
 1938年にアメリカでオーソン・ウエルズ作のラジオドラマ「宇宙戦争」が放送されると、それがドキュメンタリー形式のあまりにリアルな演出であったために、本当に火星人が地球を侵略したと思い込んだ人々がパニックになり、大きな騒ぎが起きました。

この時、銀行預金を引き出したり、食料を買い占めたり、家財を車に積み込んで逃げ出したりした人の多くは、冷静な情報の確認ができない人々でした。
 後の研究で、教育レベルの高い人ほど、州政府へ問い合わせたり、侵略が起きているとされている土地に近い友人に問い合わせたり、注意深くラジオを聞き続けたりするなどの行動を取り、多元的に状況を理解するための行動を取っていました。
 もちろん、津波警報等が発せられた場合などは迅速な行動が必要ですが、常に複数の方面から多元的な情報を得る努力は忘れずにいてください。チェーンメールなど、根拠のない扇動目的の未確認情報などには、ゆめゆめ踊らされることのないようにしましょう。また、不安を煽るようなチェーンメールがきたら、自分のところできっぱりとストップしましょう。社会の混乱を幇助してはいけません。