日本代表W杯出場を決めました。
勝因は?と聞かれたら「オーストラリアが“普通のサッカー”をするようなったから」と答えます。パスをつないで上手に崩そうとするオーストラリアなんて、全然怖くないです。
彼らの怖さは、時代遅れではあるけれど、体格・体力を全面に押し出して相手をなぎ倒そうとするようなプレー。ここで蹴ってくるぞ、と明らかにわかるタイミングでロングボールを蹴ってくる。狙っているのはここだ、とわかる場所に予測通り飛び込んでくる。それを承知で待ち構えていても、次々に怒濤のごとく殺到して押し込んでくる。無骨ではあるけれど、彼らもそうした方法に自信を持っていたから「ここぞ俺たちの力の見せ所」とばかりに力を発揮していました。たけど今回、そんな怖さがまったくなかったですね。
ごく普通のサッカーでした。オーストラリアがどこでもやっている普通のサッカーをやったって全然怖くない。日本の選手たち、国内、海外にかかわらず、所属チームでみんなそういうサッカーやってますから、免疫がしっかりついています。むしろ、もっと上手い人たちとやっているから、あの程度の「つなぐサッカー」なんか全然効き目がない。ロングボールでガンガンぶつかってこられた方がイヤだったと思いますよ。跳ね返しても跳ね返しても根負けするくらい体当たりしてくる。そして最後はねじ込まれる。その方がイヤだったはずです。
さて日本代表、せっかくの結果にケチはつけたくないですが、本大会のことを考えるとやはり心配です。浅野、乾...頑張りましたけど、それぞれが得意であるはずのスピード、足技で、前を向いた時の一対一の突破、全然できなかったですよね。一度もできなかった。アジア予選であれでは世界の舞台ではまったく通用しません。長谷部も吉田も酒井も、ひやりとしたポカありましたよね。あれ世界では確実に失点まで持って行かれます。
ただ一人、井手口だけは明るい期待が持てましたね。守備のハードワーク、視野の広いパス、正確なセットプレーのキック、そしてあの得点。これまでの日本のMFだったら確実に戻したりつないでりして逃げていたところを豪快に打って決めた。最も良い働きをした彼が海外組じゃないところが、ものすごい皮肉(笑)。
今回の予選、ずっと見てきて「やっぱりアジアのレベルは低いな」という感想を持ちました。日本はさておき、W杯にオーストラリアが出ても、サウジが出でも、全然勝てるとは思えません。ブラジル大会ではアジア代表4チームが1勝もできませんでした。ロシアでは何勝できることやら。
