親バカとバカ息子

 「親バカ」は人類共通です。いや生物共通かもしれない。

 我が子のことになると、親は誰でもバカになる。この話をするときにはいつも「私がその典型的な例です」と付け加えます。私自身、娘のことになると紛れもなく親バカになるという自覚があるからです。

 それでも、現在の日本国総理大臣よりも親バカであると自認できる親は少ないでしょう。

 そもそも、税金から給与が出る秘書官に我が子を据えるという時点で正常な判断力の麻痺がはじまっています。どれほど適任者であっても、間違いなく「身内びいき」と後ろ指刺されるわけですし、「なんであんなやつを…」と優秀な秘書業務ができる候補たちに陰口を叩かれることが必然です。それこそ失態でもやらかそうものなら「それみたことか」と必要以上に揶揄されることは明白。

 そしてバカ息子は予想通り失態をしでかしました。パパのお仕事について行って仕事そっちのけで買い物三昧。そのバカさ加減をどのようにして「仕事の一部」と言い繕うかがバカ親の役割。屁理屈を並べれば並べるほど「私はバカな親です」という電光掲示板を頭の上で点滅させるだけ。

 こんな騒動があれば、普通の神経をした人間なら懲ります。もう二度とこのように揶揄されることがないよう気をつけようと。でも普通の神経ではない”バカ純度”が濃い人はそうならない。懲りずに平気で同じことを繰り返します。

 「おれのパパ偉いんだ。ここがその仕事部屋、すごいだろ。イエーい写真撮っちゃおうぜ」「おおーエモいじゃん、撮ろう撮ろう、はいピース」「どうせなら内閣発足みたいに階段に並んじゃおうぜ」「やっぱ息子は真ん中だよな」「でもおれサンダルなんだけど」「いいじゃん、第一次サンダル内閣誕生~」…なんて言ってたかどうかは定かではありませんが…(笑)。

 それにしても、バカ息子本人はさておき、友人たちの中に「それ、まずいんじゃない」と気づく正常な感性の持ち主はいなかったんでしょうかね?やはり「類は友を呼ぶ」なのでしょうか? どうやら呼ぶようですね(笑)。皆さん、世間的にはいわゆる「優秀な」学歴なんでございましょう?

 いずれにせよ、自分のいい歳をした息子がどうしようもないバカ息子であることを日本中に知らしめた上に、それを「注意しました」で終わらそうとする自分がどうしようもないバカ親であることも知らしめました。こんな総理と秘書官の”迷コンビ”が我が国を回しています。大丈夫なんですかね、日本は。