5名ずつ利用のロッカールーム

 本当なら今頃、日本中がオリンビックで盛り上がっているはずでした。梅雨明け後の猛暑を体感する中で、来年、本当にこんな劣悪なコンディションで最高レベルの競技が実施できるのか? 何千、何万という観客がこんな気候の中で移動、観戦に耐えられるのか?と思ってしまいます。

 さて、先日、サッカーチームの練習で使っている公共のグラウンドの管理者からこんなことを言われました。「選手たちの着替えは外ではなく、ロッカールームでお願いします。ロッカールームは5人までしか使えませんので、順番に使って下さい」

 管理者が「5名までの使用」と言ったのは、もちん、コロナ禍で「密」を避けるためです。ただ、コロナ禍とはいえ、たった5名ずつの利用にならざるを得ないのは、そもそもロッカールーム自体が利用人数に対してひどく狭いからです。

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(写真はイメージで本文とは関係ありません)


 コロナ禍うんぬんに関わらせず、もともと選手たちはその施設を使うときは外で着換えています。狭いロッカールームの使い勝手がひどく悪いからです。激しい競技サッカーの選手たちですから、着替えでは当然、下着も全部着換えます。

 施設の周囲は公園仕様になっていて、そこには子どもを連れたママとか、応援の女性も現れます。そこで何人もの若い男性がお尻を出して着換えている場面に遭遇したら、気持ちのいいものではありませんね。「あれは何とかしてほしい」と苦情が寄せられたようです。

 オリンビックで大騒ぎして巨大な競技施設が建設されている一方で、一般のスポーツ愛好者が利用する施設はロッカールームが狭くて使い勝手が悪く、外で着換えて女性から苦情を受ける、という状況です。しかも、そんな使い勝手の悪い施設でも、日曜日に確保しようとすると100倍を超える抽選倍率になっています。

 何か変ですね。お金をかける場所を間違えていないでしょうか?メダル、メダルと騒ぐのはいいのですが、スポーツの裾野をしっかりと整えずして、市民の中から優秀なアスリートは育まれません。

 オリンピック開会式が行われるはずだった日、池江璃花子さんが発したメッセージの中に「スポーツが決してアスリートだけでできるものではない、ということを学びました」とありました。ちろん、池江さんは関係者のサポートの支えについて感謝の念を持って語ったのでしょう。

 しかし私のように「裏事情」をよく知っている者にとってその言葉は「オリンピックは既に、スポーツそのものとはとはまったく関係ないところで大事なことが決まっていくようになってしまった」という意味に聞こえてしまいます。

 来年、酷暑の中でオリンピックが行われたとして、100倍を超える抽選倍率の施設で、若者が外でお尻を出して着換えざるを得ない状況は改善されるのでしょうか?