ラグビーの方がずっと面白い

 U-23日本代表の試合、悲惨でしたね。

 ポゼッション率は高い、基本的にボールは支配している、相手の厳しいプレスをかいくぐってパスがつなげている、そして、攻撃的な位置でサイドに起点がつくれている。「さぁ、ここからどうする...」というところで、少しでもリスクが見えると後ろにボールを戻す。これのくり返し。

 日本がボールを戻して「丁寧にやり直し」をしている間に、相手はしっかりと守備の組織を固める。そして「さあ来い」と多くの相手DFが待ち構えているところに無理して細かいパスでねじ込もうとするから、ガツンと返されてカウンターを食らう。

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 第一戦のサウジ戦で、そのくり返しの中からカウンターを受け、PKを献上して敗れたのに、第二戦でも同じ事を繰り返した末に終了間際にまたまたカウンターを受け、ワンチャンスを決められて二連敗。

 学習能力ある?とか、サッカーIQ低すぎない?とか、色々と言いたくなるけれど、彼らだけの責任ではないような気もします。だって、彼らは幼少期から「これが“良いサッカー”なのだよ」と言われ続けたことをただ実践しているだけなのだから。

 彼らのサッカー辞書の中には「多少リスクがあっても思い切って勝負を仕掛ける」なんて概念はないのです。「千載一遇のチャンスを一撃必殺で決めてやる」なんて概念もないんです。だから、伸るか反るかの一対一の勝負なんて仕掛けられないし、仮にカウンターのチャンスの当事者になっても、強引に最後まで突き進むことはできず、「味方の数が揃う」まで待つことを選択するのです。

 悲しいかな、彼らはそう育ってしまったのです。言い換えると、そのように育てているのが日本のサッカー界ということです。

 あんな、まだるっこしい責任逃れの「たらい回し」のパスを見せられても、観客は興奮しませんよね。カウンター食らって慌てて、ボール取られてファウルで止めてカード貰って時間稼がれて...何から何まで相手の「思うつぼ」にどっぷりと浸かっている。そんな幼稚なサッカー、見たくないですよね。

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 一方、W杯以来、ラグビー人気はかなりのものです。トップリーグには多くの「にわか」ファンが駆けつけました。そして、ラガーたちはそのファンの期待に応えるべく、激しく勇気あるプレーを披露しています。

 倒されても倒されても前に進む、止められたら味方がフォローして進む。スクラムでは、皆が力を合わせて1mでも前進しようとする。相手の攻撃は身体を激しくぶつけて阻止する。戦って戦って戦い抜いてトライを勝ち取るのだ、という選手たち強い意思がプレーから伝わってきます。サッカーのなさけない「たらい回しパス」に比べたら、こちらの方がずっとエキサイテングで面白い。

 サッカーU23代表の醜態を見せられた後、ラグビートップリーグの試合を見たら「こりゃ完全にサッカーの負けだ」と思いました。「観客の心を掴む」という点では、はるかにラグビーが高いレベルにある。あんなサッカーしていたら、ファンはみんな、ラグビーに流れて行ってしまうでしょう。

 日本のサッカー界は、ラグビーに負けないくらいエキサイティングなプレーする選手を育てていかねばなりません。