スポーツ大賞

 慌ただしくしているうちに年が明けてしまいました。一日遅れなんですが(笑)、独断と偏見で選ぶ永井洋一の2018年スポーツ大賞を発表します。
 受賞者は元バレーボール選手の益子直美さんです!!!
 受賞理由は、ご自身が主宰する少年少女を対象とした大会で「監督、コーチが叱ってはいけない」という趣旨を徹底させていることです。
 人前だけでなく、ベンチに帰ってから叱られなかったかどうかを、益子さんご本人が子どもたちに聞いて回ったりもするそうで、楽しい雰囲気の中、指導者からの高圧的な指示、つまり外的圧力で動くのではなく、自主性を持って動く子を育てようという意図がそこにはあります。
 益子さんはかつて日本リーグイトーヨーカドーの選手として大活躍し、日本代表にも選ばれています。女子バレー界に根性と理不尽なハードトレーニング、バワハラ、セクハラが当然のこととしてまかり通っていた時代、当時のイトーヨーカドーを率いた坂上一雄さんという監督が理論的裏付け、合理的な練習、選手と対等に対話し主体性を重視するする指導を推進させて優勝を勝ち取りました。
 チームは、益子さんをはじめ、斎藤真由美さんら美女軍団としても話題をさらっていました。当時の女子バレー選手と言えばザン切り頭に化粧気のかけらもない顔、女性としての魅力などとうの昔に捨てました(笑)...みたいな方ばかりだったのに、ヨーカドーの選手は皆、綺麗でした(こうした切り口で女性アスリートを評価することは今や一種のセクハラかもしれませんが、そのあたりはお許し下さい)。
 雑誌の取材で訪れた際、ヨーカドーの選手たちは「監督からは、選手である前に一人の女性として社会に出ても恥ずかしくないようしっかり身なりを整えなさい、と言われています」と語っていました。さらには「私たちはヨーカドーという会社の宣伝役も担っています。TVで自分たちが映し出されたときに、女性としてなりふり構わない様子でいたら、会社のイメーシも悪くなりますから、可能な限り良いイメージを保つ努力は必要と思っています」とも語っていました。
 そうしたヨーカドー時手代の論理的、科学的裏付けと主体性を重視する指導、さらには一人の女性としての社会的立場を重視する環境が、引退後もずっと女性として美しく、また、子供たちが主体性を持ってバレーに取り組むための活動を推進する今の益子さんを創り上げているのだと思います。