自分も移民でしょ

 トランプ大統領が、アメリカではない国にルーツを持つ議員の批判的な姿勢に腹を立て、「アメリカが気にくわないなら、アメリカを出て行って自分の国に戻ってうんぬん...」という、子どもの口喧嘩みたいな低次元のコメントを出したとか。

 

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 あのおじいさん、アメリカ、アメリカと連呼して、移民、移民と敵視しますけど、あのおじいさんの何代か前まで遡れば、トランプ一家も間違いなく移民だったわけです。というか、現在のアメリカ人のほとんどが移民の子孫です。200年か少し前の独立までは、やがて「アメリカ人」と称するようになる人たちは皆、イギリスとかアイルランドとかオランダとかドイツとかスペインとかから渡ってきた人たち、つまり移民だったわけです。

 今「アメリカ」と呼ばれるあの大陸に大昔から住んでいた正真正銘のアメリカ人とは、ネイティブアメリカンと称される人たち。

 

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 コロンブスを筆頭に、「ヨーロッパを出た人たちは大西洋を渡って新大陸にたどり着いて」....と歴史では習いましたが、「新大陸」なんてヨーロッパ人たちの勝手な解釈。ネイティブアメリカンにとって「新」などと言われる筋合いはなく、昔からずっとあった土地。

 ヨーロッパ人たちは、ひたすら西に向かって航海すれば、やがてインドにたどり着くはず...と勝手に思い込んで大西洋に出た。そしたら、太平洋に出る前に大きな大陸があって、上陸してそこがインドだと勝手に解釈した。だからそこに住んでいたネイティブたちをインド人=インディアンと呼び、未開の原始的で野蛮な者たちと決めつけて虐殺し、略奪し、ヨーロッパ流のライフスタイルを流入させることが「開拓」だと自画自賛したわけです。

 ネイティブアメリカンが住んでいた土地に勝手に進入して大量虐殺して「ここはアメリカ」と独立させた子孫の末裔がトランプ。あの老体が移民、移民、と叫び、マイノリティーを蔑む様を見ていると、つい「オマエも移民の子だろう!!、そもそもアメリカ自体が移民の国だろう!!!」と突っ込みたくなるわけです。