最新のスポーツビジネスのアイディア求む

 東京五輪の経費削減問題に際し、競技場建設が見直されていることに対して、トップリーグ機構の川淵三郎さんが競技団体の代表として「新しい施設の建設は絶対に譲れない」という趣旨の発言をしました。
 川淵さんの発言を待つまでもなく、直接の当事者であるボート、カヌー、水泳、バレーボールなどの関係者は異口同音に「新しい施設が必要」と主張しています。
 それゃ誰だった新しくて大きな施設がほしいですよね。五輪を機に立派なものを造ってくれよと言いたくなる気持ちはわかります。しかし皆、言うのは「造って、造って」という要求ばかり。まるで「お菓子かって、おもちゃ買って」と駄々をこねる子供みたいで、みっとみない。
 そもそもスポーツ施設は基本的には消費する一方で利益は生まず、維持費がダダ漏れしていく巨大施設な「金喰い虫」。それを何百億という費用で作ろうというのだから、よほど賢い計画と堅い見通しがなければ無理。
 ところが「建設見直しなんてけしからん」と息巻く当事者は、自分たちは競技を楽しむだけで、費用捻出や維持管理には関わらないのだから、それは親のサイフの中身を考えずにお店の前で駄々をこねる子供と同じ。
 あのね、トップリークに関わる人たち、「立派なレガシー造って」と息巻くなら、その新施設の建設費用をこのようなアイディアで圧縮してみせます、とか、このような仕組みで維持管理費を捻出してみせます、といったブランくらい独自に用意してみましょうよ。
 今や、巨大競技場の赤字の維持費を自治体が払い続けるなんていう古式ゆかしい方式では競技場建設は成り立たない時代。世界の競技場では、いろいろなアイディアを投入して入場料収入などの「競技関連」以外の部分からオカネをひねり出す形になっているのが当たり前。だから、トップリーグの関係者も、お上に「オカネ出して」とせっつく前に、世界の競技場の色々な運営方法を研究して、「そういう方式なら建設してもいいですね」と言わせるだけのプランを提示するひとが必要なのでは?
 「オレたちには立派な施設が必要なんだ』と気勢を上げるだけで、造った後は使いっぱなし、金銭的な尻ぬぐいは行政まかせ...という放蕩息子みたいなことしかやらないから、スポーツ関係者は「バカだ」と軽蔑されてしまうんですよ。
 まぁ今回の「川淵宣言』は、オトモダチ関係の森喜朗氏から「小池に一泡ふかせてやりたいから頼む」と言われてのことでしょうな。正論では負けるから、周辺を巻き込んで「政治的」に仕返しをする。イヤラシイやり方ですが、それが「政治」というものといえば、それまでですが...。