感動したよ3年生!!

 再び前回、紹介した3年生の話。大会二日目の試合に身内の不幸があってやむなく欠席になった子がいました。伝え聞いたところでは、その子は親御さんに「休みたくない」と泣いて訴えたとか...。
 まだ入部したばかりで、正しくボールを蹴ることすらままならない子ですが、そんな気持ちでいてくれたとは...とても嬉しい限りです。大会一日目は大敗でしたが、その経験を通して小さな体にそんな強い意欲がわき出たのであれば、スポーツに身を投じた意味もあると思います。
 さて、今回の大会に臨んで、3年生に与えたテーマは「お父さんやお母さんを感動させよう」です。「勝っても負けても、自分の子どもがあきらめずに最後まで全力で一生懸命頑張っているところを見れば、応援しているお父さんやお母さんはすごく感動するのだよ」と言い聞かせてあります。
 そして大会二日目。大きな相手に勇敢にたち向かって行く子どもたちの姿は実に感動的でした。相手の猛攻にも体を張って粘る、粘る!!!。ぶつかって転んでも、すぐ立ち上がって再び激しく相手に向かっていく。経験の浅さから、わずかな隙を突かれて1点を失いましたが、猛攻を受け続けた試合はそのまま0-1で終了。勝負は負けでしたが、ホイッスルが鳴った瞬間、顔を紅潮させ、汗と土にまみれて食い下がった子どもたちの間を、すがすがしい風が吹き抜けたような気がしました。
 試合後「よくがんばったね。お父さんやお母さんはきっと感動しているよ」と褒めました。すると子どもたちがこう聞いてきました「コーチは感動した?」
 「ああ、感動したよ、すごく。君たちのコーチをやってよかったな~と思ったよ。君たちがあんなに頑張ったのだから、コーチも君たちをもっと上手にするために一生懸命、教えてあげなければいけないな、と思ったよ」
 練習や練習試合を通して、少しずつ手の届く目標を与え、その達成度を確認しながら歩んでいます。しかし実を言うと「子どもたちはどこまで私の言うことを理解しているのやら」というのが本音です(笑)。ところが、彼らは彼らなりに消化してくれている、ということがよくわかりました。
 私のようなヘボコーチでも、時々、このように出来のいい子どもたちに恵まれて、指導の効力らしきものを実感できることがあります。だからいつまでたってもコーチが辞められない(笑)。